
1975年から札幌市営地下鉄南北線の高架下で展開されてきた札幌市交通局の交通資料館が地下鉄の高架工事により2年半もの間全面休館することになりました。 え?そんなに?と思ったんですが、高架の橋脚を補修する工事のようで、屋内展示室を取り壊す必要があるんだとか。 今年で42年目になる交通資料館ですが、この工事により取り壊し後リニューアルして再開するようです。
しかし今ある42年使い続けてきた施設はなくなるんだなと思い、先日ちょっと見に行ってみました。 去年も行っているので昨年に引き続きと言うことになりますが、昔から変わらない屋内展示室これで見おさめなのかな〜なんて思いつつ見てきました。
その昔は市電の展示が現在の道路に対して横向きではなく縦向きだった時代もあるようですね。また撤去されてしまった地下鉄の試験線を除雪する除雪車も私が知っているのは除雪する装置だけが置いてあるというものなんですが、その昔はちゃんとそれを牽引する廃バスも一緒にあったんだとか。 子供の頃から交通資料館の前を通ると市電や地下鉄の車両が置いてあって、交通資料館という存在は知らなかったものの、高架下に地下鉄の車両や市電が置いてあるポイントというのはわかってましたので、クルマからの景色にくぎ付けだったものです。
現在は失われてしまったステンレス車体のバスなどもよく考えるとすごく貴重なものだったんですよね。子供の頃はそれほど気にしてませんでしたが、ステンレス車体というだけでも十分価値がある資料だったなと思いますし、失われてしまったのが悔やまれます。
もう1つ、屋外展示品も変化が出たり失われるものが出るのではないかと思い改めて撮影したかったというのもあって行って来たわけです。
ステンレス車体のバス同様突然展示車両が消えてしまうことがあるのも交通資料館ですからね。
それにしても今回の工事で屋内展示の車両には動きはないのでしょうか? 動かさないと橋脚の工事ができないものもあるように思うんですが、どうなのでしょうね。特に地下鉄の試験車両や1000系は橋脚と橋脚の間にビッタリ収まっている感じなので、引っ張り出そうにも出ないのでは?と。まさかの解体だけは勘弁してほしいなと思うんですがね。
そもそも高架下ではなくもうちょっといい場所はないものなのでしょうか? 元々地下鉄の登場で多くの路線が廃線となる市電の電車車両センター跡地に交通資料館をつくる計画があったようですが、他にももうちょっと方法があるように思うんですよね。 例えば市バスの営業所は各民営バスに引き継がれたものの、厚別支所だけは引き継がれずに廃止となり現在はタクシー会社の社屋となっていますが、ここを使うという方法もあったように思うんです。バスの営業所ですからかなり広い敷地もありますし、車庫もありますから車両展示をするには都合がよかったように思うんですね。高架したとは言え現在の場所は野ざらし同然ですから冬は雪も吹きつけますし、雨風にもさらされますし。でも車庫内で保管であればこういうことはありませんので、いい状態を維持できるのでは?と。 なので、厚別支所廃止の際に交通資料館を移すことも出来たのではないかと思ってしまうんです。 敷地が広ければ駐車場も確保出来そうですし。
ちょっと期待してしまうのが07年に公開開始となった2台の市バス、こちらは搬入の際レッカー車から降ろされて展示スペースまでの間を自走したようですから、今回も移動の必要が出てきたら、自走するシーンがもしかするとみられるのでは?と思うんですね。 展示開始から早くも10年ですから、もう動かすのは難しいのかもしれませんが、それでもちょっと期待してしまいます。
とりあえず現在の交通資料館は今年9月末で終了となってしまいます。2年半後に再開する予定ではありますが、子供の頃から親しんできた場所や風景がまた1つ消えるんだなと思うとちょっとさびしい感じがします。 |
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