レカ郎写真記


[PREV] [NEXT]
...... 2017年09月25日 の日記 ......
■ ハイアングルではるにれを   [ NO. 2017092501-1 ]
高架工事に伴い2年以上休館する札幌市交通局の交通資料館、先月末休館を前に1度見に行き、その模様を少しこの場でもご紹介しましたが、もうちょっと撮っておきたいものがあったので再び行ってみました。

その中から今日は地下鉄第三次試作車である「はるにれ」をご紹介です。

以前ご紹介したのは第四次試験車であるすずかけでした。こちらに関しては後日もう少しご紹介したいと思っていますが、今日はとりあえずはるにれの方を。

第四次まで試験車が作られた札幌市営地下鉄ですが、結局のところ電車だったのが第四次のすずかけのみで後はバスの改造であったりと内燃機関が動力となっていました。

このはるにれもまたそのうちの1つ



言わずと知れたこの姿ですね。
廃バスの改造車などからするとかなり地下鉄車両っぽくなっています。
大きな窓や両開きのドアなど1号編成に多く取り入れられた特徴を既に備えています。ヘッドライトも位置こそ違えど、大きさなどはすでに1000系と同じなのかもしれませんね。

逆エンド側です




はるにれはどうやら一方向のみの運行だったようで、前後があったようなんです。ということでこちらは後側。顔が違いますね。バック走行も行っていたのかヘッドライトというか標識灯が1灯だけテールランプと並ぶようについています。

試験車は札苗試験場で走行していたわけですが、札苗試験場はループ線と後から出来たS字カーブのある軌道の2本がありました。前後のあるこのはるにれはおそらく廃バスから作った試験車同様、ループ線で使われていたと考えられます。
ちなみにオール屋外だった札苗試験場ですが、屋外に置いてこのスリックタイヤはあり得ないだろうと思うんですね。
試験中の写真などを見てもホイールが違うなと以前から思っていたんですが、おそらく今履いているこのホイールとタイヤは別物なのでしょう。じゃないとこんなスリックタイヤでは雨の日なんて走行できませんからね。
本来はすずかけ同様溝のあるものを履いていたものの、何らかの理由で交換されたのでしょう。
おそらく大型用のホイール、たぶん市バスの廃品辺りでは?と思うのですが、それに南北線用のスリックタイヤの廃品を組み合わせて履かせているのではないかと私は見ているんですがね。
南北線用のスリックタイヤには溝がなく摩耗具合が分かりにくいですが、摩耗具合を計測するための穴がいくつかありますので、そこで計測してみれば新品か廃品かも分かるはずです。

さてこのはるにれ、すずかけと異なり柵で囲まれなかなか内部を見ることができません。しかも1001+1002と異なり掘り下げて止めているのではなく、逆にコンクリートで一段高くしたところに乗っているのでなおさら内部が見えないのです。
その内部を今回撮ってみました。

一脚にカメラをつけ、一脚を伸ばして足を手で持ってタイマー撮影するという方法です。さてそうして撮ってみた内部の様子はと言うとこんな感じです。



まずはフロントから。
ガラス越しなのでちょっと見づらいんですがそこはご容赦ください。
地下鉄の試験車なのに1人掛けシートが前向きについています。しかも簡易的なものではなく結構立派な、路線バスよりも立派なものがついていますね。
製造から半世紀近くになるのに退色しやすい赤系のモケットは激しく退色しているというわけではないのがすごい点です。
元々なのか後天的なものなのかは不明ですが、三角形の吊革もついていますね。
地下鉄の試験車というよりバスと市電の合作といったっ感じです。
試験車ながらきちんと蛍光灯カバーまでついているのもこだわりポイントでしょうか。ただ本番の1000系2000系には蛍光灯カバーはつけられていませんでした。

このはるにれ、内燃機関で動いていたわけですが、ディーゼルではなくまさかのガソリンカーだったというのも面白い点です。




こちらは運転台を撮ったもの。既に1000系で採用されているクネっと上の部分が曲がっているマスコンのレバーが採用になっています。ただブレーキはブレーキ弁というより手ブレーキのようなレバー式だったみたいですね。ひょっとすると見えている長いレバーはほんとに手ブレーキで、ブレーキはフット式だったという可能性もありそうですが。



最後は後方からの撮影です。
なんと後ろ半分は何もありませんでした。前後のある車両ですのでこちらに運転台がないのはわかるんですが、座席の類もありません。ただ床を見ると座席の痕跡が見られますので、本来は車両全体に座席があった可能性がありそうです。ではなぜ取ってしまったのかというのは不明ですけどね。

1つ考えられるのは盗難にあったということ。展示車両の地下鉄1号編成はその昔内部を公開していたようなんですが、部品をはぎ取られてしまって今のように内部を非公開にしてしまったんだとか。現在内部を見られるのは年1回の交通資料館まつりの時だけですからね。
そのため現在ついている部品は結構2000系の部品をつけているという話を以前聞いたことがあります。結局いつもとんでもないやつのとばっちりを受けるのは善良な人間ばかりなんですよね。

ということではるにれもその昔内部を公開していたものの、盗難に遭って非公開に。しかもはるにれの場合は部品が一点ものなので取られたら最後でこのような姿になってしまったということが考えられます。

残りは今週土曜の30日のみになってしまった交通資料館の開館日。次の公開は2年以上経ってからでしばらくこうして見ることが出来なくなりますし、下手するといなくなってしまう展示車両も出てしまうかもしれません。
さて2年後リニューアルオープンする時の交通資料館はどのような姿になっていることでしょう。そしてこの間どのような動きがあるのでしょうね。

特にすずかけや地下鉄1号編成辺りは高架下にすっぽりはまっているので、動かしたりしないと高架の工事ができないような気がするんですよね。
また10年ほど前に追加された市バスの展示車も再び動くことがあるのかも気になるところです。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: