先週の土曜にアシリベツの滝の記事をご紹介しましたが、今日はその続きです。
札幌は南区滝野のすずらん公園付近を通ったことがある方であれば古い店があるのをご存知と思いますが、今日はそちらのご紹介です。
今はすっかり珍しくなった木造のレトロなその建物、通行する人の目を引くわけですが、その店の名前はふせ食品。商店とかではなく食品なんですね。正確には有限会社ふせ食品店だそうです。
明治になって滝野地区では水車式の木材加工がおこなわれるようになり、人の往来が盛んになったことで、明治40年頃豆腐店を始めたのが始まりなんだとか。 そして厚別機械場教育所が開設され開拓使も増加、これに合わせて日用品や酒、タバコ、米、切手などの販売を手掛け始め茶他、大正時代から昭和後期まで電報の配達も行っていたそうです。 現在の地に店を構えたのが昭和23年でちょうどこのころこの地も機械場から滝野という名前に変わったようです。実際今も厚別の滝バス停から真駒内方向へ向かうバスだと2つ目に機械場入口というバス停が今もありますね。
そのバスが定期的に入るようになったのが昭和35年頃なんだそうです。
さてその店というのがこちら
さすが今年で70周年の建物だけのことはあります。時代はどんどん変わり周辺の状況も変わりましたが、ここだけは時が止まっているかのような感じです。ボロい?いえいえ、こういうのはいい味出してるとか、渋いというんです。煙突の部分がコケむしてるのがまたいい味出してます。
正面から。 今は店に掲げられているこういう類のホーロー看板は見なくなりました。骨董屋で売ってたりするぐらいですからね。それが今も現役です。ちなみにもちろん店自体も廃墟ではなく今も現役です。特にこうした建物に囲まれて暮らしていた中で育った人であれば、ごめんくださいとドアを開けて思わず入って行きたくなるんじゃないでしょうか。
今どきこういうホーロー看板を現役で使っている店は少ないですよね。上の方にある赤い看板には「煙草小売所」と書いてあります。今ではタバコはコンビニなどでも買える時代ですが、当時は違ったんでしょう。 スピーカーもついていますが何に使ったものなんでしょうね。周辺地域に何かを放送する役割を担っていたとか、防災無線が設置されているとかなのでしょうか。
さてなんでわざわざふせ食品の前まで行ったかと言えば、この店の前に厚別の滝バス停があるからなんです。実は行きこそすずらん公園内でバスを降りたんですが、帰りはすずらん公園発の最終便に乗らなかったので、ここまで歩くことになったんです。通常真106系統はすずらん公園内まで入りますが、すずらん公園が閉園中は1つ手前の厚別の滝で折り返しになるんです。なので閉園時間後のバスは厚別の滝までしか来ないため、そこまで歩いていかなければならないんです。 ちなみに先日暴風雪の際もすずらん公園が臨時閉園となり、南106系統は厚別の滝で折り返しになってました。 ちょっとした拠点になっているのがこの厚別の滝バス停というわけなんですが、そこまで歩いて行くのはなかなか緩くないものがありました。すずらん公園渓流口から15分くらいなんですが、この時期立派な歩道は雪に埋まっていて使えないためツルツルの車道を時折やって来るトラックを待避しながら歩くしかありませんでした。もうちょっとなんとかならないものか・・・と。
大体1時間に1本ペースで最終が18時となっています。
さてこのバス停にはこんなものが・・・
敬老優待券もIC化になった中、まだカードの使用方法が書いてありました。ここだけでなくまだ残っているバス停がそこそこありますが、よく見るとこの写真のバスって今となっては古いですね〜。どっちもU代じゃないですか。セレガの方は導入初期のころのクルマですね。どっちの車両も、カードも、カードリーダーも今は消えてしまったものばかりです。
さてこの厚別の滝、なんで厚別の滝へ行くのにここで乗り降りしないですずらん公園内まで行って歩いているのかというと、実は厚別の滝バス停の裏にはあのアシリベツの滝があるんです。しかし直接行くことが出来ないんですね。それがこちら
なんともバカバカしいことになっているんです。滝はバス停のすぐ裏なのに、ぐるっと回されて公園の門を通って園内を歩いて行かないと滝にはたどり着けないんです。なのでここを通ることができれば私も車道を歩かずにすんだわけです。
バス停の裏には厚別川がこうして流れており、画像奥が厚別の滝となるんですが、この距離にして滝へは行くことができず。その昔は直接行くことができ、高齢者でも歩いて行けるほどだったようなんですが、道内唯一の国営公園となってからはばっちり柵を回されて直接アクセル出来なくなってしまったそうです。なので厚別の滝バス停も名称だけという感じになってしまったわけですね。これならふせ食品前の方がまだ実用的な感じがします。
さて最後はこちら
ふせ食品前に厚別の滝行きのバスがやってきました。厚別の滝という行き先表示も若干珍しい感じですが、このバスはここが終点となり周辺で転回して真駒内駅行きとなります。
この時やって来たこのクルマは元立川バスのクルマで中央バス移籍後は札幌東営業所に入った後、西岡に転属しているクルマです。札幌東にい続けていたら、この地区とは無縁に終わってしまっていたのでしょう。
既に古参の部類に入っているクルマですが、70年前の建物から比べればまだまだ若造って感じですね。 |
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