そろそろ北海道も春めいて来て雪解けが進んで来ていますが、そうした中そろそろ役目を終えようとしているのがひと冬道民の生活を守って来た除雪車達。今日はそんな除雪車を1台。
今日ご紹介するのは北海道開発局の日本除雪機製作所HTR263Lです。
このクルマは北海道開発局保有のロータリー車ですが、よく見るロータリー車とは姿形が違いますね。このロータリー車は一車線積み込み型ロータリー車で、通常は左側にロータリー車、右側をダンプが並走して雪を飛ばして積み込んでゆくという排雪方法ですが、このロータリー車はベルトコンベア装備で、オーガと呼ばれる回転部分でかき入れた雪をシュートで飛ばす・・・というところまでは通常のロータリー車同様で、もちろんこのロータリー車も拡幅除雪などの際にはそのように使われることもあります。しかしこのクルマの場合シューとを後方に向けて後方にあるベルトコンベアに向けて雪を飛ばし、ベルトコンベアで雪を運んで後方からついて来ているダンプに雪を積み込んでゆくという技が可能なんです。除雪車の雪ですから、相当な量、重さになるはずですが、それでもモノともせず運べるベルトコンベアの性能もすごいなと思うばかりですが、こうすることで二車線をふさいで積み込み作業中は一旦道路を通行止め状態にしなくてもよい、作業している横を一般車が通り抜けることができるというすぐれものなんです。
自治体で保有しているところは少ないようで、主に開発局、ネクスコなどで保有している例が多いようですから、元々安くない除雪車ながらこのクルマはさらにお高いものではないかと推測されます。
画像の状態はベルトコンベアを折りたたんだ状態ですが、作業する際は背中にしょっているベルトコンベアを伸ばして使うことになります。 先端にはカメラがついており、ダンプのベッセル内の状態を確認することができるため、モニターで確認して止まれ、GOなどの指示を背中に背負っている表示板でダンプに出すことも可能です。 また通常のロータリー車よりも速度が出るようで、一般車に劣らないような速度で走っている場面も見かけることがあります。足周りも通常の大型車同様のもののようですので、大きなタイヤを採用している通常のロータリー車よりもタイヤに関してはコスパがよさそうです。
このクルマ、18と表記があるので18年導入分と思われますが、今年導入・・・ではないですよね。今年導入であれば作業灯がLEDのはずですし、現行型はHTR265Lになるようですので、旧型ということになるはず。ということでこちらは平成18年度導入のものということになりそうですが、そうなるとそこそこ年数が経っているクルマということになりそうです。
そろそろこれらの除雪車、特にロータリー車は排雪や拡幅除雪が必要ない時期になってきましたので、役目を終え、整備やお色直しを受けて開発局に委託先から返却され眠りに就く時期になってきました。 こうした特殊車両を見られなくなるのは少し残念ながら、雪はないに越したことはないですからね。札幌圏はそうでもなかったですが、今年の冬は道内記録的な豪雪に見舞われた地域も少なくなかったため、例年より除雪車もお疲れ気味かもしれませんね。 |
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