今日はちょっと変わったものを。 札幌の地下鉄は主に四角いトンネルを二分割し間に柱が無数にあるというタイプのトンネルですが、一部ではちょっと違った工法で造られたトンネルがあります。 そのうちの1つがシールド工法。シールドトンネルとも言われますが、上下線がそれぞれ別の半円状のトンネルを通る仕組みで双方の線路が隔離されている状態のもの。シールドマシーンを使い掘りながらコンクリートを吹き付けて固めてゆくという方法で掘削していくものですが、これが東西線と東豊線を結ぶ連絡線、正確には2〜3号連絡線と言いますが、ここで最初に採用されました。この工法だと上に覆工板などを敷いたりして大規模に掘り返さなくて済むわけです。なので上に住宅があっても何があっても問題なく掘って行けるわけですね。 既に街が完成していた状態で掘らなければならなかったこの連絡線ならではの工法でしたが、これが本線で初採用になったのが東豊線の延伸工事でのこと。豊水すすきのー学園前間で採用になりました。
さてもう1つの工法が新オーストリアトンネル工法、通称「NATOMU」と呼ばれるものです。日本語で言うと山岳トンネルとなりますが、これも掘削部分にコンクリートを吹き付けながら掘り進んで行くというもので、これは道路などでもよくあるあのかまぼこ型のトンネルです。これも地上部分で作業せずに済むため、交通規制をかけたり、覆工板を使ったりせずに済むほか、道路の下などにこだわらず、住宅などの下も掘り進むことができるメリットがあります。 シールドトンネルの場合は上下線で1本ずつのトンネルが与えられますが、ナトムの場合は上下線で1つのトンネルを使う形になります。
このナトムが採用されたのが美園ー月寒中央間で、月寒トンネルと呼ばれているようです。地下鉄のトンネル内に月寒トンネルという別なトンネルが存在するというのも不思議な感じですけどね。
この区間は上下線間に壁や柱がないのでちょっと変わった車窓・・・といっても暗いのでよく見えませんが、柱や壁が窓の外にない変わった景色を見ることができます。 そのナトム、美園側からだとちょっと離れているのとカーブしているので駅から直視することは困難ですが、月寒中央側は月寒中央駅ギリギリのところまで迫っていますので、駅から見ることができるんです。 そこで先日ちょっとその月寒トンネル内を撮ってみました。それがこちら
ちょっと見づらいんですが、内部はこのようになっています。福住方向のホームから美園方向を見ている形になりますが、上下線ともに確認できますよね。そして天井が半円を描いているのもお分かりいただけるかと思います。これがナトムです。 まあ言うならば南北線の地上区間にあるシェルターを地下に埋めたような感じとでもいいましょうか。ちなみに実際はこんなに明るくありません。
ではもう1枚
列車が通るとこんな感じになります。福住方向のホームから見ているのに栄町行きの列車がこうして見えるというのは線路間に障害物がないナトムだからこその光景です。 さすがに福住方向の列車を撮るというのは安全面でダメだなと思って後追いだけにしました。 東京などでは駅までこのナトムの中にあるという線区もあるようですけどね。
以前コンデジでチャレンジしたことがあったんですが、どうにもうまくいかず諦めていたものの、ではミラーレスだとどうなるんだろうと思ってやってみたというのが今日の写真だったりします。 それにしても9000系のLEDテールランプ、いくらスローシャッターで撮っているとはいえめちゃくちゃ明るいですね。 |
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