
東札幌ー定山渓でかつて運行していた定山渓鉄道、札幌オリンピック開催に伴う都市開発で邪魔ものとされ半ば強制的に潰されたに等しい鉄道ですが、そんな定鉄の数少ない遺構が今日ご紹介の石切山駅です。 この前は何度も通っているんですが、通過際に見るぐらいでじっくり見たことは今までなかったのですが、先日石山まで行く機会があり、せっかくなのでちょっと寄ってみました。 定鉄の駅舎で残っているのはこの石切山駅のみ。以前は豊平駅も残っていましたが、取り壊しになりマンション街へと姿を変えてしまいました。
定鉄は廃線からまだ半世紀も経っていないのに廃線跡地をたどったり、遺構を見たりするのがきわめて困難なほど残っていません。なのでこの石切山駅は非常に貴重なものと言えるでしょう。
この駅舎、1949年に建てられたもので駅舎だった時代は20年ほどと意外と短いのが特徴です。 石切山と言えば札幌軟石や札幌硬石の採石で有名な地区で、そこから来ているのが現在の石山という地区名になるわけですが、定鉄もこれら石材の輸送を行っており、この石材で千歳飛行場の滑走路を強化したんだそうです。 貨物ヤードも設けられており、そこそこ広い構内だったようですが、今は緑地や公園に姿を変えています。ただ住宅地や商業地にならず市有地であることが定鉄の名残と言えるのかもしれませんね。
現在は石山振興会館として使われている駅舎ですが、札幌市の景観資産にも指定されています。 定鉄電車の名残でしょうか、駅舎前にはじょうてつの石山中央バス停が設置されています。言うならば鉄道の代替バスみたいなものですからね。
やはり思うのは定鉄電車は真駒内ー定山渓だけでも残しておくべきだったということでしょう。確かにモータリゼーションのあおりで乗客は減っていたようですが、真駒内ー定山渓が40分前後というのは魅力的ですし、鉄道が通っていれば南区の奥、簾舞や藤野といった地区の発展の仕方、土地の値段なども大きく変わっていたでしょうからね。 オリンピックで街が発展すると言われますが、逆にその発展から切り捨てられるところや分野が出るのを忘れてはなりませんね。 |
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