今日はSLの静態保存機を。 今日はD51 560号機のご紹介です。
このカマは室蘭観光協会横、旧室蘭駅に静態保存されているもの。元々は1974年から室蘭市の青少年科学館にて展示されてきたもので、科学館の解体により昨年夏旧室蘭駅に移設されました。
このD51は生粋のどさんこカマでもあり、1940年苗穂工場でNo.09として製造されました。苗穂工場がD51も製造していたとは今では考えられませんが、その後函館、長万部、鷲別、五稜郭、名寄と渡り歩き、名寄でニ休車になった後1974年7月に廃車を迎え、その年の11月に室蘭の青少年科学館へやって来て展示となっていたようです。 苗穂製のD51で現存するカマと言えば苗穂工場内にある237号機がありますが他にまだあるのでしょうかね。 青少年科学館時代からきちんと屋根の下で保管されていたようです。 岩見沢の711系もせめてこれぐらいの設備はほしかったな〜とつくづくこれをみて思ってしまいました。年々痛みがひどくなってきてるらしいですからね。
炭水車側からのものです。 D51の傍らに誰かの車輪が・・・。正体不明ですが、ギアがついているので動輪だったと思われますが、どちらさんのものなのでしょう。 この時期道内の保存機はかなりの確率でシートがかけられていますが、室蘭ではシートがかけられておらず、もしかしたらダメかな〜と思ったのですがこうしてその姿を見ることができました。
さてこのD51のすごいところ、それは展示方法にあります。その展示方法というのがこちら
おお!?下に潜れる階段が
その下から見た光景がこちらです
SLの静態保存機は数あれど、こんなところからこうして見ることができるのって道内ではここだけなのではないでしょうか。少なくとも私は他に知りません。 あとは京都の鉄道博物館とかでしょうか。 たぶん機関士さんだってめったに見ない光景ではないでしょうかね。 表面上は再塗装されたりしてきれいですが、やはり下回りは錆が出ています。海風にさらされてきたので仕方ないことですね。 それにしても改めてこうして見てみると、鉄道車両ってたったこれだけのフランジでレールに引っかかってるだけなんだな〜と思ってしまいます。たったこれだけの引っかかりだけで何十トンもあるような車体がカーブを曲がったりするわけですからね。新幹線なんて200km以上の速度で走るわけですし。結構恐ろしいな〜と感じてしまいました。脱線しない方が奇跡みたいな感じです。
写真中央にはユニバーサルジョイントがついたシャフトが出ているんですが途切れているんですね。展示のため外したのだろうか?と思ってつながっていたであろう反対側を見てみたんですが、どこにどう繋がっていたのか、何に動力を伝えていたのかが分かりませんでした。
ちなみに、下に潜れるようになっているため、こちら側の線路が途切れてしまっています。 レールと枕木は新品なのでしょうかね。枕木はちゃんとPC枕木を使っています。
さて下に潜る他にキャブに通じる階段もありましたので登ってみました。 ドアが開いておらず見るだけなのかな?と思ってノブを回してみると施錠されておらずドアが開くではありませんか。
これがキャブ内です。
反対側から見たものはこちら
多くは展示してあるだけで内部には入れなくなっていることが多いですが、ここではキャブ内も見ることができますし、各部位に説明書きもつけられています。 OBの方が中心となって保存、整備活動をされてきたようですが、この素晴らしい状態はその賜物なのでしょうね。壊されていたり奪われてしまっていることが多いメーター類のガラスや水面計などの部品類も健在です。 また車輪などにはサビ止めで油が塗布されており、きっちり管理されていることがうかがえました。ここまでしっかり管理されているカマは追分のD51以外ではあまりないかもしれませんね。
夜も見たのですが、さすがに観光協会が閉まる時間以降は施錠されているだろうと思いきや、施錠されていないんですね。いいのかな〜と。よくこんな無防備な状態でキャブ内が無事で済んでいるなと思ってしまいます。
続く |
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