レカ郎写真記


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...... 2024年04月30日 の日記 ......
■ さらばCNG車   [ NO. 2024043001-1 ]



北海道中央バスでは98年に初めて2台のCNGバスを導入しました。前年には札幌市交通局で道内初のCNG車が導入となっていますが、CNG車が広がるのかと思いきや、それっきり導入がなく普及しない状態が続いていましたが、時を経て09年中央バスで久々となるCNG車が導入となりました。それが今回ご紹介のエルガノンステップ・CNGです。
札幌200か2377と2378で登録され、専用カラーを纏って平岡営業所に配備となりデビュー、一時期平岡にはCNG車が4台所属していましたが、12年にCNGタンクの期限切れで98年式の2台が廃車となり再び2台体制に戻っていました。
そして昨年このエルガCNGの2台もタンクの使用期限切れとなり除籍となりました。
中央バスでは発注車だとKL代、移籍車だとKC代のクルマもまだ現役で活躍している中、PDG代、通常のディーゼル車ならPKG代に当たる世代のクルマが先輩を差し置いて早々と除籍となり、25年続いたCNGバスが中央バスから全廃となりました。14年目のクルマだったということで、首都圏では除籍になって当然という年式かもしれませんが、現在の北海道基準ではかなり早い引退です。
面白いのが燃料がCNGということで、一時平岡営業所内に充填スタンドが設置されていた時もありましたが、それ以前や設置後も流通センターのアクセスサッポロ向かいにCNGを充填できるスタンドがあり、そこで充填を行っていました。私もその姿を時々見かけることがありましたが、一般のスタンドに路線バスが入っているという少し珍しい光景が見られました。末期には再び充填スタンドが平岡営業所からなくなっていたようなので、そうなると流通センターまで行って充填していたはずです。なかなかめんどくさい話ですね。運用中どのタイミングでスタンドに行っておかないといけないかを把握しておく必要があったのではないでしょうか。

さて今日の写真ですが、昨年除籍されたはずのエルガCNGが平岡営業所構内にいるのを見かけました。なんだ、まだいるじゃん・・・と思ってよく見るとナンバーが切られていましたので除籍なのは確かなようです。
ちなみに手前が2378、奥が2377となるようです。
さらに詳しく見るとLED表示機も外されて幕抜き状態になっているので、再利用などのために外されたのでしょう。おそらく搬出待ちという状況かと思いますので、間もなく最後のCNGとなったこの2台も見納めとなります。

車両としてはまだ使えるはずですが、タンクの方が先に期限切れになってしまうというCNG車最大のデメリットのために廃車されてしまうというのはなんだかもったいない話です。
エコということでCNG車が開発されたはずですが、使える期間が短いなら本末転倒ですよね。
かといって5年以内に廃車対象となるクルマに今更高いコストをかけてタンクの載せ替えをするかと言えばそうではなく、タンクの載せ替えてもすぐ車両本体の寿命が来てしまうということになるよりは、車両そのものを入れ替えてしまう方がコスト的には安いということになるのでしょう。
CNG車を普及させたいなら、タンクの期限撤廃などが必要になるでしょうね。もちろんそれには15年よりも長く使えるタンクの開発が不可欠になるでしょうけど。

現行の290系には設定がないCNG車ですが、やはりこの辺りの事情と充填設備の問題で需要が伸びなかったのでしょうね。そのうち消えゆく技術、クルマということになるのかもしれません。通常の車両より長く使えないとか、充填設備が限られるのに通常の車両より高いとなれば事業者としても導入を渋るというのは当然ですからね。他に燃料は通常の軽油でいいハイブリッド車もありますし、めんどくさいクルマには手を出さないとなるのでしょう。
ただHV車もバッテリーの問題がありますので、おそらくは通常のディーゼル車より寿命が短いか、バッテリーを載せ替えて車両の限界まで使うとなればバッテリーの交換にえらくコストがかかってしまう、そもそも導入費が通常のディーゼル車より高いですからなかなか普及しないのは当然のこと。さらに整備の特殊性もあるでしょう。そうなればやはり通常のディーゼル車を選択した方がいいとなるのは当然です。

一般の乗用車はどうか分かりませんが、バスなど大型車の場合は特殊なHVやEV、CNG車はあまり普及せずに終わってしまうものなのかもしれませんね。

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