レカ郎写真記


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...... 2017年10月04日 の日記 ......
■ 札苗試験場を訪ねる   [ NO. 2017100401-1 ]
先日から交通資料館長期休館を前に、すずかけやはるにれと言った地下鉄の試験車両をご紹介していますが、今日はその試験車両が走っていた試験場の方を。

地下鉄の試験車両は地下鉄となんの縁もない場所に設けられた札苗試験場で試験走行を行っていました。現在この場所は地下鉄沿線でもなんでもなく、公共交通がバスしかないという地区になっていますが、そんな場所にかつて地下鉄の試験車両が走っていたわけです。

試験が終了してからは現在の地下鉄南北線にある高架区間を教習線としここに試運転や訓練運転の場を移して開業に備えて行ったわけですが、試験場はと言えば終了後は撤去され今はもう見ることができません。しかし現在の区画にその面影を見ることができるんです。

さてその札苗試験場の場所はと言えばこちら



一番分かりやすいのは札苗小学校。この学校は試験場があった頃からこの場所にある学校で、札苗小学校がいい目印になります。
現在は札苗中央公園になっているこの場所にはるにれなどが走っていたループ線がありました。
試験線跡地を赤線でなぞってみましたが、すずかけの走っていたS字つきの試験線は公園をかすめるように通っていました。そしてそのS字の試験線を今の道路に見ることができるんです。サイクリングロードだった時代もあるようなんですが、それがあってなのか道路に転用された後も周辺の道路にはない妙なカーブを描く道路になっています。
しかしこの赤線でなぞった試験線跡、謎があるんですね。S字が浅いような気がするんです。そして今は公園の向かい側が市営住宅になっているんですが、こちらも道路に沿うように曲がって経っているんです。そこで青線なんですが、この青線の部分に本来試験線があったのではないかと私は見ているんですね。市営住宅が曲がって経っているのも試験線の跡地の名残だとすると納得がいきます。
現在公園になっているループ線ももっと市営住宅側に張り出していないとループにならないんですよね。
当時の航空写真などを見てもおそらくS字つきの試験線はもっと今の道路よりカーブがきつく市営住宅の敷地の方へ張り出していたものと思われます。

そして札苗小学校横辺り、S字つき試験線の末端に車庫が設けられており、ここにすずかけが収納されたりしていたものと思われます。

当時この辺りは畑が多かった場所ですが、今では畑は全くなく住宅街へと変わっています。

では現場の様子を見てみましょう。




この辺りがS字のあった辺り、そして左側の公園になっているループ線とS字つき試験線の分岐があった辺りとなります。
走行試験の他に転鉄機の試験などもここで行っていたようですので、この辺りに札幌の地下鉄初の転鉄機があったものと思われます。

反対から見てみました




この謎のカーブに試験線の名残を見ることができます。
なんだかそう思うと向こうから試験車がやってきそうな感じすらしてしまいます。

次に車庫があったと思われる辺りを



三角点通りとの交差点ですが、この辺りにすずかけの車庫があったようです。
ここに試験車両が走っていたことを知っている住民はどのくらいいるでしょうね。

最後にループ線側を



この場所にループ線がありました。
公園に転用されたことで試験線なき後もその名残を今に残す結果になっているというわけですね。

試験線だった場所は現在公園や市営住宅になっています。おそらく試験線を接地するに当たって札幌市がこの辺りの土地を取得したものと思われますが、現在も札幌市保有の土地となっているというのも試験線の名残と言えるでしょう。
行政保有の土地やJR保有の土地って面白い過去のある土地が多かったり線路跡地ということが多いんですよね。こうしてまちの成り立ちや歴史を見るのも結構面白いものです。
ただこの場所に試験線があったという案内看板が1つもありませんでした。旧千歳線の駅には小さいながらも案内看板があるんですけどね。
この場所で案内軌条方式の車両が開発、技術を確立させていったわけですから、なにか小さい看板1つぐらいあってもいいのにななんて思うんですけどね。

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