この秋もあちこちで舗装工事が行われていました。その真新しい舗装に早速現在はドッサリを雪が積り、除雪車が路面をひっかいているわけですが、その作業に必要な機械の1つにロードカッターがあります。
路面切削機とも呼ばれるものですが、この機械は実に興味深いんです。 今日ご紹介するロードカッターはおそらく酒井重工のER552Fと呼ばれるものだと思われますが、走行速度がなんと最高で27kmと自転車並み、重量は28tになるそうです。
エンジンはコマツ製のエンジンを積んでいるようですが、そのためかDF200っぽいエンジン音だなと。そしてそのお値段は8800万だとか。これを安いとみるか高い見るかですね。ちなみに路線バスで1台2千万前後、貸切タイプで4千万前後、総務省消防庁が全国に配した日野プロフィア、もしくはいすゞギガベースの支援車は1台8千万のようです。
さてこの機械、ただ路面を削るだけではありません。削ったアスファルトを回収して折りたたみ式のベルトコンベアで運びダンプに乗せてゆくというマルチな機械なんです。 さらに粉じん防止や冷却のために水を使うため2000Lが入るタンクも設置しています。ただし北海道のような場所だと冬季に水を入れっぱなしにしておくと凍結し割れてしまうんだとか。
さらにこの機械、なんとリモコンでの運転が可能なんです。外にリモコンがありそれを使って作業を行います。確かに乗ったままミラーや目視で作業エリアを確認するより、オペレーターが地上で確認した方が正確ですし、ギリギリまで寄せることができますからね。なので作業中運転席は無人なんです。しかも運転席は2つありハンドルも2つあるという2人乗りゴーカートのような運転台になっています。
作業中煙を上げているシーンをよく見ますが、これは削る際の摩擦で廃材や刃物が加熱するため・・・ではなく、実は削られたアスファルトがベルトコンベアに乗せられてダンプへ運ばれる時、アスファルトの熱でベルトコンベアが焦げる時に出る煙なんだそうです。 まあ刃物などが過熱するのは確かでしょうけどね。そのため水タンクがあるわけですし。
ここまで出来ることを踏まえて8000万オーバーは安いか高いかと言えばどうでしょうね。
ただしこれ1台で済むわけではなく、先に述べましたが、走行する際の最高速度が30km未満ですので、ナンバーは取得していますが、この機械を運ぶ搬送車がセットで必要となりますし、アスファルトを回収する機能はあるものの、やはりとりこぼしなどもありますから、これとセットで道路清掃車も必要となりますから、全部そろえると1億越えということになってしまうのでしょうね。
ふと思ったんですが、これも一般のナンバーを取得していますので、当然車検なども必要になるわけですよね。どこでどう車検をやっているのかが気になります。というか作業のために走る・・・といっても実際はガンガン走りまわるのではなく、歩く速度やそれ以下の速度での作業です。それでも公道に出て作業する上ではナンバーが必要になるというのがそもそもおかしいような気がするんですけどね。この機械が作業している車線は大体交通規制がかけられてそのエリア内で作業しているわけですし。 税金もいくらかかるのかが気になります。
なんだか削って回収してベルトコンベアで運んで積み込んで行く、炭鉱の作業を1人でやってしまっているような機械ですね。 |
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