
クリスタルエクスプレスが今日最後の日を迎えました。沿線や駅には大勢の人が最後の姿を見るために出ていたのではないかと思いますが、私はこの2日間下り列車のみを撮っていました。上りは札幌圏どころか富良野周辺ですら天気次第では撮影できるか怪しいような日の長さですから当然札幌圏での走行写真は不可能ですからね。 夏至の頃でもラストランのダイヤではなんとか撮れるぐらいで今ではすっかり夜の時間帯になっていますからね。
さてクリスタルエクスプレスは89年の登場ということで平成元年にデビューとなった車両。それが令和元年に引退というのも感慨深いものがあります。
最近ではフラノラベンダーエクスプレスのみの運用となっており、1年の大半を寝て過ごすという状態になっていたのが残念な限り。もっと有効な活用方法はなかったのだろうかと思うんですよね。おそらく本州の私鉄辺りであればもっとうまい使い方を考えたことでしょう。保存ばかりではなく、北海道でお払い箱にされるのであれば、本州の鉄道会社やいさりび鉄道辺りで引き取って走らせてもらえないものでしょうかね。
クリスタルは一時団体臨時列車の定番だった時期もありました。そのため「またクリスタルか」というような声も聞かれたものですが、最近では出てくることすら珍しくなっていたので、あの時の活躍ぶりは夢か幻か・・・なんて思ったものです。 ニセコエクスプレスに続く新製でのリゾート車第二弾として登場したクリスタルも30年なんですよね。この30年随分色々と状況が変わって来たものです。
この30年中15年くらいは稼働率が少ない状態でしたので、キハ183系としてはどのキハ183系よりも走行距離が少なかったはずですね。それでも廃車となるのはやはり稼ぎが悪いからリストラされたと見て間違いないのでしょう。
ロマンスカーなどのように運転席を2階に上げて全面展望が出来るスタイルは画期的でしたが、もうこうした車両は未来永劫北海道には出てこないことでしょう。
また足周りで見るとキサロハの足周りは583系からの流用品でしたが、足周りだけ残っていた583系もついに消滅となるわけですね。
さて今後ですがニセコエクスプレスはニセコに保存されることになりましたが、クリスタルはどうでしょう。正式にはクリスタルエクスプレス・トマムサホロですが、トマムでもサホロでも保存してもらえなさそうですからね。地味な存在でもあったクリスタルだけに救いの手が差し伸べられることはあるのでしょうか。思えばアルコンとニセコ以外は保存になってないんですよね。あのフラノですら解体されていますし。
さよなら運転もトマムサホロなのに富良野方面というのもちょっと違う気がしますし、フラノエクスプレスは道内あちこちをさよなら運転で行脚し、トマムサホロエクスプレスも同様でしたが、クリスタルはフラノラベンダーエクスプレスの延長版みたいな感じで、申し訳程度にたった2日間のみだったのもなんだかあっけないというかさびしいというか、そんなものだったのか・・・と思ってしまうんですよね。
保存にならなければこのまま解体されてしまうことになるであろうクリスタルエクスプレス、なんだかもったいないなと感じてしまいます。
もうフル編成状態で本線を走る姿というのは見られなくなってしまったんですよね。 今日でクリスタルは去ってしまいましたが、近年は別れを告げることばかりな一方、いい出会いがないというのも残念な限りです。もう平成初期の頃のような感覚というのは味わえないのでしょうかね。今後出てくるキハ261系の観光列車バージョンにも期待はできませんし・・・。
ということで今日の写真はラストランクリスタルエクスプレスです。昨日は晴天だったんですが、今日は曇りでえらく暗い条件だったため、クリスタルはここ数年怪しい感じがしていたので本線に出てくるチャンスがあれば集中的に撮って来たものの、高感度でギリギリの撮影しかできなかったのが心残りです。 |
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