
今日は静態保存のSLを1機。 今日ご紹介するのはD51 11号機です。 このカマは札幌の農試公園にて展示されているもの。11号機というのは道内で保存されているD51でもトップクラスの若番ではないかと思います。ちなみに道内で静態保存になっているD51で最も若番なのは神居古潭で保存されている6号機となるようです。
さてこのカマ、現在の川崎重工兵庫工場で落成し、広島に配備されたものの、1年ほどで追分へ転属して来たカマです。 主に追分、旭川、岩見沢を拠点とし73年に岩見沢で廃車を迎えています。 D51としては初期ロッドに当たるカマですが、SL末期まで行き残っていたというのはすごいですね。
初期車ですので、ボイラー上が流線型になっている所謂ナメクジ型というのがこのカマの特徴でもあります。D51の動態保存車は全国にいくつかありますが、ナメクジ型となるとあまり例がないですね。
一時前照灯副灯をつける改造を施されているようですが、現在はそれが取り外された状態で展示されています。
73年11月に廃車になった後、1月の正月明けすぐから農試公園におかれているようなので、当時は現役そのもののSLが農試公園にやってきたという感じだったのでしょうね。 現役時代より廃車になり農試公園にやって来てからの方がもう随分長くなってしまっています。
農試公園ではこのように露天で展示されているため、時々補修や塗り直しなどが行われているようですが、塗装の劣化や雨だれ跡などが目立つ姿となっています。とはいえ、屋根があったらあったで見た目はよくないんですよね。
一応足周りは正しいものなのか確認しようと思ったのですが、幾度も塗り直しを受けているため、車輪の刻印が潰れて確認できませんでした。
もう製造から80年以上になるこのカマ、最終的には解体されてしまう保存車も少なくないですから、時を越えて現在もその姿を留めるこのカマにはそうした残念な最後を迎えてほしくないものです。 |
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