17年に40年以上過ごしたサッポロビール園からニセコ駅横に移設された9643号機。移設以来ずっとビニールシートがかけられ続けており、いつその姿を見ることができるのだろうかと思っていたところ、先日ついにその姿を見ることができました。
こちらが9643号機です。 すっかりきれいにお色直しされ、屋根までついていますが、これは1年前に見た時からあるもの。しかし屋根がかけられてもずっとシートをかぶったままでした。 ただ去年の秋ぐらいにはシートが外れていたようなんですがね。私が12月に見た時は確かシートがかかっていたので、本格的に姿をさらし出したのは今年からということになるのでしょう。
横の給水塔と後方のターンテーブルはC62 3号機でも使っていたものですが、共に昨年からお色直しされ色も変わったため見た目が変わりました。
またこの機関車のすぐ近くまで近寄ることができるようにもなっています。
キャブにもどうやら入れるようにしているようですが、この時はチェーンが張ってあったのでキャブには入ることができませんでした。 サッポロビール園時代はキャブ内の損傷が随分あったようですが、ニセコに移ってから修復などは行われたんでしょうかね。それともビール園時代そのままなのでしょうか。
ナンバー以外ないなと思ったんですが、このカマの経歴を見ると、1948年に日曹炭鉱天塩鉱業所へ譲渡されており、72年まで活躍していたためではないでしょうか。そのため区名札入れなどが一切ない状態なのかもしれませんね。ただ製造プレートもないとは・・・。
なお国鉄時代は1915年に使用開始後亀山に配属、北海道には37年にやって来て旭川に配属され、48年に国鉄での廃車を迎えているようです。
ニセコへは個人が私財を投じて移設を行ったとのこと。解体される話もあった中、この行為によって救われきれいによみがえることが出来たのがこの9643号機ということになるのでしょうね。
山線の主力でもあった9600形ですが、このカマに関してはあまり縁のない土地という感じではありますが、貴重な4桁ナンバーのカマが解体の難を逃れこの地で保存が継続されることになったのは喜ばしい限りです。
ビール園時代はボイラーが白で縁取りされていたりしましたが、ニセコでお色直しされてからはすべて黒に塗りなおされています。これが本来の姿なのでしょうね。 ビール園時代は輝きを失っていたナンバーもきれいに磨き直されています。
今後この地にニセコエクスプレスも保存されることになりますが、この場所が小さな鉄道博物館になるといいですね。
それにしてもこうして屋根がかけられた姿を見ると、現役時代をなるべく再現したいためとはいえ、屋根なしで痛み続ける711系の保存車にも屋根がやはり欲しいなと思ってしまいます。ただただ朽ち果てて最後は修復不能で鉄くずになってしまうという最悪な事態にならないようにしてもらいたいものです。 |
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