レカ郎写真記


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...... 2020年06月18日 の日記 ......
■ 9643号機 番外編   [ NO. 2020061801-1 ]
先日ニセコ駅横に移設となり、本格的な公開が始まっていた9643号機をご紹介しましたが、今日はそのこぼれ話を。

まずはこちら



SLへ近寄る手前にこんな看板が。立ち入り禁止とでも書いてあるのだろうと思いつつ見てみると違いました。
SLへの順路とか案内看板でもなく、そこに書いてあったのは「簡易軌道真狩線 狩太停車所跡地」

ちょっと思いもよらぬ内容の看板でした。
この真狩線は以前空中写真などで跡地を追ったことがあり、一部の駅がバス停の名前として残っているということが分かったりしたんですが、今ではすっかり忘れ去られてしまったものだと思っていました。ところがここにきてこうして簡易軌道があったという事実が記される時が来たわけです。
ニセコ駅近くでは線路跡地が道路に転換されたりしていますが、なんとなくながら今でも線路跡地と思わしき痕跡が空中写真などで見ることができます。
たださすがに廃線歩きをしている人は少ないようですね。
現在ではすっかりニセコという地名が世界的に有名な地名になりましたが、その昔は真狩という地名の方が幅を利かせていたようで、この駅名にある狩太という地名がそもそもの町名でした。1901年に真狩村から分村し独立しています。なお1950年には狩太町になっていますが、真狩は現在も村のままですから、大元の真狩よりも人口が増えたということになるわけですね。

さてこの真狩線、1936年から53年までの間運用していた簡易軌道で、そんなに長い間走っていたというわけではないようです。廃止から70年近くが経とうとしているわけですが、それでも痕跡というのはなかなか消えないものなんですね。

そんな忘れ去られようとしていた簡易軌道をここにきて堀起こしたようなもの、それがこの看板ではないでしょうか。

さてこの看板のある先に真新しいバラストと共に線路が敷かれていますが、これは最近敷かれたもの。ここに苗穂に保管してあるニセコエクスプレスを持って来るようです。まあ言うならばニセコエクスぷエス置き場といったところでしょうか。ニセコEXPの方には屋根がないんですね。車両が来てから屋根をかけるのかもしれませんが。
ラストランはニセコで行いましたが、二度とないかもしれないと思われたニセコ入りはトレーラーでの移動ということになるのでしょうね。

でもどのように運ぶのかが気になるところ、中山峠経由にしろ稲穂峠経由にしろトンネルは避けられません。通り抜けられるほどの高さがあったかな?と思うんですが、鉄道の車両ですから線路を使って運べばいいようにも思うんですがね。まあそうなると検査の問題が引っ掛かって物理的には線路を牽引されつつ走ることは出来ても法的にはできないのでしょう。
でも線路を使うことができればトレーラー輸送に比べて輸送費も安く済みそうなものですし、いろいろな障害のことも考えなくてよくなるはずなんですけどね。




次はこちら。
長らくこの地で放置されているターンテーブルです。SLの移設、整備と同時にこちらと給水塔もお色なしされました。
このターンテーブルは元々新得機関区にあったものをC62 3号機の復活運転に伴いニセコへ移設されたもの。
どうやら動くようにしてあるようです。というのは電線が配電盤につながっていてこちらも整備を受けたような感じに見えたため。ターンテーブルを支える車輪、この車輪を支えるレールの下にある枕木が長年放置されてきたため朽ち果ててきているものも多く、稼働させるのは難しい状態と聞いていましたが、見た感じ枕木の痛みはそんなに見受けられなかったので、もしかすると交換されたのかもしれません。どうせ交換するなら枕木ではなくPC枕木にすると朽ちることはないのでは?と思うんですがね。予算的に厳しいのでしょうか。ニセコEXP置き場もPC枕木ではありませんでしたからね。

ニセコ町では今後ここに持ってくるニセコEXPをこのターンテーブルにウィンチで押したり引いたりして乗せて回転させるという計画があるんだとか。なので行く度に止まっている向きが違っているという変化が見られるかもしれませんね。

ちなみにこの近くにも簡易軌道真狩線のターンテーブル跡地と書いた看板がありました。SLとニセコEXPもさることながら、忘れ去られようとしていた真狩線の掘り起こしにも力を入れているようです。
それほど広いスペースではありませんが、ただここには鉄道の歴史が凝縮されている感じを受けました。
ここが今後どのように変化していくのかが楽しみですし、この地と鉄道の歴史を発信する拠点になるといいですね。
そのうちイベントなども開かれるようになるのでしょうか。

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