
札沼線の電化以来すっかり役目を失ったかのようなキハ201系。新幹線の車両よりも高いという高級車なのがキハ201系なわけですが、今年のダイヤ改正までは快速運用をかろうじて受け持っていたものの、その運用も区間快速の消滅で失い、すっかりもてあまされた存在と化している状態ですが、そんなキハ201系が唯一6両を組み、しかも快速で走るというのが札幌→倶知安の快速ニセコライナーです。札幌圏では区間快速がなくなった今では快速エアポート以外の快速はこのニセコライナーしかありませんが、この6両を組んで走るニセコライナー、キハ201系が登場した当初から守ってきた運用でもあります。当時はマリンライナーだったと思いますが、札幌圏の快速が区間快速いしかりライナーとなった時、ニセコライナーに名前が改められたのが小樽から先へ向かい札幌ー小樽間を快速で走る列車。かつてはキハ150もニセコライナーで走っていた時代もありましたが、今ではこのキハ201系だけが担当する列車となっています。
この列車、札幌を夕方に出て倶知安に向かうという列車ですが、小樽で小休止中、後ろ3両を切り離し、前3両だけが引き続き倶知安まで普通列車として淡々と走って行きます。6両を組んでいる時、前3両は倶知安行ですが、後3両は小樽行きの幕を出しているのも特徴です。
では小樽で置いて行かれる3両はどうなるのかと言えば、夜の倶知安行で倶知安へ向かいます。結局倶知安に6両とも揃う形ですが、別々に向かうわけです。 そして翌日の早朝3両が蘭越まで回送された後蘭越→札幌のニセコライナーで走り、残り3両は倶知安→札幌の普通列車として戻ってきます。この列車、正しくは倶知安→苫小牧となっていますが、小樽で731系と6連を組み札幌へ向かい、札幌で731系と分かれて苫小牧までは731系だけで向かいキハ201系は札幌止まりという形となります。 倶知安でなかなか見ることができない苫小牧行きの行き先を見ることができる貴重な列車というわけですね。
以前だと蘭越から来る編成が札幌到着後江別まで回送して江別→札幌の運用をこなしていましたが今はどうなのでしょう。 一旦この運用が巡ってくるととにかく忙しい2日間を過ごすことになるというのがこの倶知安行のニセコライナーなわけですが、運用としては6両でニセコライナーを担当した前3両が翌日ニセコライナーの後3両に入るという運用のようです。
さてこの列車、札幌発が18時前という時間。日が長い今しか撮影することができない列車でもあります。ということで先日この列車を狙いに行ってみました。
実はこのキハ201系が6連を組む列車、登場以来何度か見ただけでまともに狙って撮影するのは今回が初めてだったりします。というのは大体この時期はフラノラベンダーエクスプレスの方へ回ってしまうことが多かったため。ところが今年はほとんどの運行が取りやめになってしまったので、であれば今まで注目したことがなかったこのニセコライナーを狙ってみようじゃないかとなったわけです。
確かに通勤型気動車で見た目札幌圏では見慣れた731系顔でハッキリ言ってしまえばつまんない被写体かもしれませんし、他の3ドア電車と比べるとラインが青でパンタグラフが乗っていないぐらいの違いしかないのでマニアックな存在でしかないかもしれませんが、いつまで見られるか分からない存在になって来ているような気もするんですよね。 というのはいち早くキハ283系の廃・置き換えが進んできていること。キハ283系はキハ201系と大体同世代ですが、そんな車両が運用コストを理由に手放されてきているわけです。となれば、非効率で運用コストもかかり、かつ運用をわざわざ作ってやらないと運用実績を今や作こともできなくなっているキハ201系もいつリストラされるかわかりません。運用面でも山線へ入る場合3両でワンマン対応になっていませんから、通常この区間の列車には乗務しない車掌さんが必要になります。おそらく車掌さんも倶知安で宿泊勤務になるはずです。なので人員的にも非効率かつコストがかかるわけです。そこまでしての効果はと言うとそれほどないわけですから、非効率と判断されても仕方ないわけですね。
鉄道車両の寿命を30年とするなら余命が6年ほどになってきています。 ということで、狙えるうちに狙っておこうと思い立って撮影に出てみたわけです。
改めて思ったのが、快速なのにキハ201系の本領を全然発揮できていないということ。キビキビ走っているというよりはダラダラ走っている感じなんですね。これだと以前持っていて私も何度か乗ったことがある札幌→江別の区間快速の方が本気で走っていた気がします。
前に普通列車が入っているというのもありますが、JR側はどうもキハ201系は気動車だから鈍足という他の気動車と同じ扱いを今までもしてきたような気がするんですね。なのでキハ201系の運用だけ同じ区間を走る電車より所要時間を長く設定して余裕を持たせたダイヤで組んでいる感じがするんですが、ただキハ201系は731系と同等の出力を誇る車両。本気を出せば気動車とは思えない加速力を誇るわけです。まああえて本気を出させないようにしているのかもしれませんが、もうちょっとキハ201系を高く評価したダイヤにしてあげればいいのになと感じましたし、私もあの「キーン」という飛行機のようなターボの音を出しながら走る姿を見たいなと思った次第。
キハ201系登場当初はサイクルトレインで日高線に入ったこともあり、今後いろんな場面で活躍するシーンを見られるようになるんだろうなと思っていたものの、運用は先細りでお荷物な存在になっていく姿に寂しさを感じます。まあ言うならば器用貧乏という感じの車両なのかもしれませんね。
キハ201系のニセコライナーに関しては撮るというより乗る方が面白いのかもしれません。 1度早朝の倶知安→札幌の列車に倶知安から乗ったことがありますが、山線での加速やエンジンブレーキの音にはシビれたものです。出来ればロングシートではなくクロスシートでちゃんと窓の外を見て乗りたいな〜とも思いましたけどね。
それにしても赤地に白文字の快速表示、めちゃくちゃ久々に見た気がしました。今はエアポートも快速エアポートの種別表示を出していますので、純粋にこの赤地に白文字の快速表示を出しているのもニセコライナーだけなんですよね。ただし731系同様種別表示部分が小さくて見づらいですが。今度は札幌駅などでじっくり種別表示だけでも見てみたいものです。 |
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