
先日電車事業所内を見ると240形の246号と210形の212号が顔を合わせるように止まっているのを見かけました。一見するとなんか顔を突き合わせて話でもしているかのような状態に見えましたが、こうして比較してみると同じように見える双方でも若干の違いが見られますね。
現在札幌市電で現存する最古の車両が210形。元親子電車のM101の方が古そうな感じですが、3年も210形の方が先輩です。
札幌市電の特徴でもある丸みを帯びたいわゆるヨーロピアンスタイルのデザインは210形と同じく1958年に登場した330形で取り入れられ、210型以降の車両にも受け継がれることになり、これが札幌市電のスタイルとなって定着してゆくことになるわけですが、同年登場の330形は廃車になったり、車体だけ新製し、電装品などを流用した3300形に生まれ変わったりして形式消滅している一方、210形は未だ現役。しかもこの212号は近年更新工事が行われ、パンタグラフもシングルアームに変更されています。 210形は元々ビューゲルで落成していますので、時代と共に集電装置を載せ替え続けているという感じでしょうかね。
一方240形は1960年製造ですので2年ほどの開きがありますが、これでもM101より古いんですよね。 240形のうち245号は10年ほどで事故廃車となっており、ワンマンカーとして走ることなく終わっています。
さて、現在は双方とも前照灯が2灯式ですが、元々はフロントガラス下のど真ん中に1つと方向幕部分の真ん中に1つという配置でした。竣工当時は行き先表示部分の上はなにもありませんでしたが、現在は改造に改造を重ねた結果通風口が設けられています。
双方2灯式のヘッドライトになったため、同じ顔つきに見えますが、テールランプが240形では2灯あるのに対して210形では1灯式でしかもついている位置が異なります。 また写真では見えませんが、側面の車号表記が210形では昔ながらの位置を保っているのに対して240形では出口付近に移設されています。
2年ほどの差ですが、ちょこちょこ差異があるというのはマイナーチェンジを繰り返した結果ということでしょうかね。
そういえば方向幕部分の横にテールランプがあったように思うのですが、双方ともにありません。どこへやったんだろう?いつからなくなったんだろう?と思って手持ちの写真などで見てみたところ、最近撮ったものでもついている車両もあればついていない車両もあるようです。 もしかすると車体更新の際に撤去されて埋められてしまうのかもしれませんね。 時代と共に変化している札幌の市電ですが、その変化は現在進行形ということなのでしょう。 手持ちの写真ではまだついている車両の方が多い感じですが、少しずつ失ってしまったり、車両自体が置き換えでなくなってしまうかもしれませんね。
この行き先表示の横のテールランプってずっと札幌の市電にはつき続けているんですよね。細かい点ですが、実は歴史のある部品だったりするわけですが、それが現在失われて途絶えようとしているわけです。
212号に関しては比較的最近更新を受けているようなので、札幌市電最古参の車両ですが、まだ大丈夫なのかなという気がするんですがね。 |
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