
今月末で引退する札幌市電のM101が現在最後の活躍をしています。 元親子電車の親電車M101、札幌市電初の連結車というだけでなく、初めて窓下に2灯ヘッドライトが並んだデザインとなった他、札幌市交通局の車両として初めて両開きドアを採用した車両でもありました。
残念ながら双方で貫通しておらず、車両間を行き来できないこと、これによってパッセンジャーフロー方式の客扱いができなかったこと、乗務員を多く必要歳非効率的であったことなどから、親子電車式の連結車、連接車はこのM101とTc1のみになってしまいましたが、札幌市電の歴史においては、その後の連接車、連結車のみならず、現在の連接車A1200形にも通ずる重要な車両となっています。
最初にM101に乗った時、当時私は小学生でしたが、旧カラーの車両はまだSTカラー採用前でしたので、他にもいたものの、中ドアの両開きドアに驚いたのを今でも覚えています。 このM101のすごいところは他の現在運用中の旧型車は色々と見た目の変化を繰り返しているものの、こちらはほとんど変わっていたいということ。通風口がついたり、方向幕からLED表示機に変わったり、カラーリングが少し変わったぐらいで、プレート類などは昔からほとんど変わってないんですよね。
なぜM101だけがカラー変更もされず、昔から変わらぬ姿のままを貫いて来たのかは謎ですが、交通局内でも少なからずM101に対する思いがあったのかもしれません。
古いことを言えばM101より210〜240形の方が古いわけですし、250形とは同期になるわけですが、これらはM101より何度も更新され、見た目も大きく変わっているわけですからね。そしてなぜかM101だけがラストラン運転を行い、記念グッツまで販売されているのかも不思議です。過去に去って行った車両でここまで手厚くされた車両はないと思いますし。 M101だけが特別視されてきたというのは明らかです。
こういう昔からのスタイルを貫いている車両というのが1両くらいあってもいいように思うんですがね。少なくとも今走っているA1200や1100形よりはそれ目当てで乗りに来る客というのはいるはずですし。
もっと古い車両があるにも関わらずM101だけが先に廃車されるのかも謎ですね。はやり他の車両と構造的に大きく違うところがあり、メンテナンス面で手間暇がかかってしまったりするのでしょうか。
近年では予備車状態でなかなか本線に現れることがなかったM101ですが、今月は最後まで老体に鞭打って無休で走っているため、今までにないぐらいM101に触れることができますので、少しでも多く触れ合いたいと思っていますが、紅葉の中でM101を見ることはできてももう雪景色の中で見ることはできないんですよね。
今日の写真は先日撮ったもの。この数日前にも実は撮っているんですが、その時は後パンタだったので、今日は逆回りの内回りだから撮りづらい前パンタだろうなと思っていたところ、なんと後パンタで来ました。この間方向転換を行ったということなのでしょう。偶然なのか交通局の配慮なのかは不明ですが、常に同じ側しか撮れないものの、撮りやすさで言えば後パンタですので、もし偶然でないのならありがたい配慮です。 |
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