レカ郎写真記


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...... 2022年03月11日 の日記 ......
■ 今日でお別れ キハ283系   [ NO. 2022031101-1 ]

95年に試作車が産声を上げてから27年、一時はメインのスーパーおおぞらの他にスーパー北斗、スーパーとかちなども担当していたキハ283系、一番新しい車両で車齢21年と若干全廃には早いですが、今日で定期運行を終えます。

登場以来S北斗やSとかちなどにも進出するようになったので、今後キハ183系を置き換えていくのはこの車両ではないかと思ったものですが、車両の価格が高いことや車両の他にもJR北海道そのものの様々な問題などを背景にすっかり一時の人気や勢いがなくなり今では厄介者扱いに、そして今日早々と引退の道を辿ることになりました。

このキハ283系、実のところ私が鉄道の世界へ本格的にのめり込むきっかけをくれた車両でもあります。今の車両にはない「あれに乗ってみたい」と思った車両でわざわざ少ない小遣いをはたいてデビュー早々の時期に短い距離ながらも、特に用事があるわけでもない中乗りに行ったことがありましたが、あの時の記憶は今も忘れることができません。
また唯一グリーン車に乗ったことがあるというのもキハ283系で、釧路からの帰りに1度だけ体験しましたが、今はもうなくなってしまった大型ヘッドレスつきのシートは電動リクライニングやオーディオサービス、カーテンに至るまで電動という国内最高級とも当時言われたグリーン車の内容に圧倒されました。

普通車も本来おおぞらの高速化で投入された車両ですから、シートモケットにはタンチョウのイラスト、そのタンチョウを思わせる赤いハンドグリップはこれから始まる旅への思いを引き立ててくれるものでした。
この辺り走行線区をイメージした演出というのも今の車両にはありませんね。

一時札幌運転所や苗穂工場の公開の際には振り子体験として停車している状態ながら振り子を作動させて来場者に体感してもらうという催しがありましたが、JR北海道としても当時は自慢の車両だったのでしょうね。

ただキハ283系のイメージをダウンさせてしまう最大の事故が11年前のトンネル内での炎上事故。あの事故をきっかけに北海道内の特急は130km運転をやめ、高速化から一気に安全重視へ方針転換し、キハ261系に追いやられる形でキハ283系の勢いも失速、すっかり影の存在になってしまいました。
全盛期には10両以上の編成を組むこともあったSおおぞらですらもうその姿を見ることがなくなってしまいましたが、結局最後はコロナによる需要減で基本編成が5両とおおよそキハ283系らしからに姿で迎えることになってしまった他、先輩のキハ281系、それどころか細々とまだ生き残っている国鉄型のキハ183系よりも先に去ってしまうことになったのは残念ですが、今のJRはキハ283系の存在を許してはくれなかったようです。

さて最後に短い距離でも乗っておきたかったものの、それもかなわずじまいとなってしまいましたが、なんとか最後に非電化区間で撮りたいという思いだけは達成できました。それが今日のもの。
ほんとはもっと道東らしい十勝や釧路方面で撮りたかったものですが贅沢は言えませんね。非電化区間でキハ283系を撮ったのは十年以上ぶりではないかと思います。今のところさよなら運転などの計画もアナウンスされていませんが、かつての勢いや人気とは裏腹に、このまま静かに去ってゆくことになってしまうのでしょうかね。

先輩のキハ281系とも併結できるなどその応用性の高さにも関心したものですが、おおぞらで使われなくなったのでオホーツクへ回すということもされずに今日1つの車両が歴史に幕を下ろそうとしています。

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