現在架け替え工事が行われている山本跨線橋、長らく片側1車線により渋滞する場所かつ、歩道が片側しかなく、しかも狭くて危ない橋でしたし、橋自体の老朽化問題もありましたのでこの問題を解消するべく、山本跨線橋の架け替え、および山本通の拡幅工事が続けられています。 そんな中先日行ってみたところ、ついに新しい山本跨線橋の一部が姿を現し始めていました。
言わずもがな右が現道です。新旧の並びが見られるのは期間限定ですね。 この新しい橋が作られている場所、元々は橋の横を通る側道+住宅地だった場所です。側道部分はいいとしても、私有地にも及ぶため、この土地の取得に手間取ったのと、お金が余計にかかったようです。一体立ち退き料はいくらぐらいだったんだろう・・・なんてつい考えてしまいますが、この工事より、側道が通行止めになってしまいました。
ジョイント部分です。橋が姿を見せ始めたといってもこのほんの一部分だけが出来ているにすぎません。 今後このジョイント部分に新たな橋を作ってつなげていくのでしょう。この部分こそ今しか見られない場所ですね。
現道は橋桁をどこかで作って来たか、現場で部品を組んで作ったものと思われますが、新しい橋はオール鉄筋コンクリート製で、現場でこうして鉄筋を組んでコンクリートを流して作る構造のようです。なので鉄の橋桁というものがないんですね。 丈夫なことは丈夫なのでしょうけど、重量は現道の橋をはるかに上回りそうです。 こちら側には先ほどのジョイント部分にあった棒状の連結部分がありませんね。
さてこの山本跨線橋の架け替えを含めた山本通の改良工事ですが、そもそもの始まりは2016年頃。厚別通と山本通の交差点付近から始まりましたのでかこれもう8年も前になります。 いつまで何の工事をやってるんだろう?と思っていたんですが、工事が進むにつれ山本川を暗渠化しているということが分かりました。そう、山本通の拡幅工事というのは山本川を暗渠化してその上を道路にするというものだったのです。 元々山本川を挟んでもう1本側道が通っているという独特の、そして妙な構造だった山本通ですが、側道と川を使って拡幅するというものだったのです。 それにしても工事が進むに連れて、通る度に通る場所があっち行ったりこっち行ったりしていて混乱するような状況でした。ただ、山本跨線橋から見るとズラっと並べられた工事のバリケードなどにつけられたライトがチカチカ一斉に点滅していて、まるで空港の誘導灯のようできれいだな〜なんて思ったこともありましたけどね。
そしてそのうち山本跨線橋の方でも動きがみられ、まず山本通沿いの建物がなぜか1つ消え、また1つ消えと少しずつ解体されていきました。建て替えなのかな?と思っていたんですが、壊した後一向に新しい建物が出来る気配がありません。厚別駅にも近いところなのにそんなに需要のないところなんだろうか?なんて思っていたんですが、そうではなかったわけですね。 既にこの段階で橋を架ける前段階の用地取得が始まっていたわけです。アパートや北13条通との交差点にはファストフード店などもありましたが、それらもすべてなくなりました。 そのうち山本跨線橋架け替えの話しが聞こえて来て「ああ!なるほど、そういうことだったのか」と納得。 そして現在新しい橋を建設している側の側道も通行止めになってなくなってしまいました。 この側道を利用していた人、特にクルマはかなり不便を強いられているのではないでしょうか。
こうして橋を作る土地が出来上がったわけですが、そこから工事が一向に進む気配がなく、おかしいな?と思っていたところ先日ついに橋脚と一部橋が架かり始めているのを見たというわけです。
この一連の工事、16年頃から始まっていますが、ではいつ完全に終了するのかと言えばなんとまさかの2033年なんだそうです。なんと20年近くもかける計画なんですね。 そして総工費は当初の予算から71憶もオーバーした148億になるんだとか。というかおそらく物価高騰などもありますので最終的にはさらに膨れ上がるのでは?と思うのですが、工事期間だけ見ても新函館北斗ー札幌間に新幹線が出来るぐらいかかるわけです。当初の計画では2012年に着工して2030年度末開業でしたからね。
最近の公共事業は人手不足というのがあるのかもしれませんが、妙に工期が長いものが多いですが、たかだか1kmちょっとの距離にあまりにも工期と費用がかかりすぎているような気がするんですよね・・・。
ちなみに、現在建設中の橋が完成したら、まずは片側1車線で開通させてその間現道の橋を撤去して橋脚を再利用した上で新たな橋を作って完成後は片側2車線として併用するようです。
ちょっと気になるのがこの場所がどうなるのかということ。 ここは函館本線の列車が撮影できる場所ですが、新しい橋に切り替わったらどうなるのかと気になっているんですね。札幌圏では数少ない撮影ポイントがまた消えてしまうことになるのか・・・というのがどうしても気になるのです。
余談ですが、元々この場所は昭和50年代初頭ぐらいまで踏切で道路が線路を横切っていました。 厚別停車場線から大きくクランク状に道路が通っていたようで、この道路の形状を改良する目的と踏切を解消する目的で山本通と山本跨線橋で線路と立体交差する方式に改められたようです。 それにしても昭和50年代初めの作られた橋も老朽化で架け替えが必要と言われる時代になってしまったんですね・・・。 |
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