先月札幌市交通資料館で夏休み特別展示として普段公開されていない一部車両の内部が公開されていました。その中の1つ地下鉄1号編成の車内も久々に見ることが出来たので、これと市電のM101を見るのを目当てに行ってみました。 M101は以前ご紹介しましたが、今回は地下鉄1号編成です。
私としてはもう2000系が全廃して今年でちょうど25年、四半世紀になりますが、未だに南北線というとこのイメージですし、これが南北線です。もうそろそろ次の世代の5000系も引退という話が出てきているというのに、やはり長らく慣れ親しんだ2000系なんですよね。 そして地下鉄の車両で唯一保存されているのが1号編成の1001+1002の2両。札幌の地下鉄はオール屋内ということで屋根の強度が低いため保存には向かないということでこれらの車両以外は1つも残念ながら保存になっていません。 南北線には1000系と2000系が存在していましたが、双方でそれほど差はなく、2両編成を1000系、4両編成を2000系としていました。ただ1000系の方が運転室が狭いなどの差が若干見られましたが、ほぼ同じもので、こうした形式の分け方はちょっと珍しいですね。JRだと形式は同じにして区番台だけ変えるという形になるでしょうか。ただ後に2両編成も増結を繰り返して最終的にどれも8両編成になっていますので形式を分けた意味がなくなってしまっているんですよね。 ちなみにこの1号編成は最終的に2+2+2+2という前代未聞の中間車なしで頭ばっかりという8両編成を組んでいました。それはそれで見たかったですね〜。私が見たことあるのは4+4で8両にしている編成だけですが、それでも札幌の地下鉄において中間先頭車があったというのは1000系2000系だけなんですよね。
なお1号編成は製造当時ロングシートではなくクロスシートだったようで、そのような写真が若干存在しているのを見たことがありますし、以前交通資料館で展示されていたスケールモデルでも座席がクロスシートになっているものがありました。昔からなんでこのモデルはクロスシートなんだ?と思っていたんですが、その写真を見た時「あれはそういうことだったんだ」と納得したものです。
さて内部に入ってみましょう。
まずは運転室から。確かに狭いです。私はそんなに太くないですが、それでも出入口を通り抜けるのに少し難儀するほどです。 座席を収納しないと出入りできないぐらいのスペースですからね。 速度メーターは後年交換されているようです。というのは初期の映像などを見ると別のもっと古いものがついているんですよね。もしかすると交通資料館に収蔵されて内部が常時公開されていた時代、盗難にあって仕方なく当時の現行型を付けた可能性もありそうです。1号編成は交通資料館に入って以来結構部品の盗難にあっていて、それで公開を中止したという話を聞いたことがありますからね。
客室です。これだよな〜と私なんかは思ってしまうんですが、まさに昔見た光景です。一部広告なども当時のまま残っていました。
1000系〜3000系は2両1ユニットでユニット間は永久連結で連結されていました。そして1000系2000系はユニット同士の連結部はこのように円形の広い連結部、連接台車のない連結部は奥に見える乗務員室の出入り口程度の狭い通路になっていました。ユニット同士の円形連結部はこうして見られますが、長方形の連結部は保存車両がこの2両だけなのでもう見ることが出来ない連結面ですね。 キノコ型の連結板は3000系の連接台車部にも引き継がれているデザインです。
天井に目をやると扇風機があります。私の記憶にあるものと違うぞ?と思ったのですが、当初はこれ、そして私の記憶にある四角い本体に丸形の回転式ルーバーがついているものは後年交換されてついたもののようです。
一緒に写っている蛍光管って引退時からのものなんでしょうか。もうこの蛍光管も明るく車内を照らすことはないんでしょうね。
1000系、2000系の特徴と言えばこれ。特に助手席側は運転室越しに全面展望が出来るのでこの場所はお気に入りスポットでした。札幌の地下鉄において前面展望が出来た車両というのは1000系2000系だけですね。 さらに中間先頭車のある編成だと元乗務員室が見られるスポットだったので好きな場所でした。
なおこちらは真駒内方ですが、麻生方の方は乗務員室のドアが撤去されていました。
次はちょっとお遊びを。 ローアングルで撮ってみました。同じ車内でも印象が違って見えますね。それにしても窓が大きい。 以前長野電鉄で元都営地下鉄の車両に乗ったことがありましたが、同じ両開きのドアでも窓が小さい!そして高い位置にある!と思ったことがあります。 窓の大きさは市電譲りといったところでしょうかね。この頃はまだ結構市電の要素があちらこちらに見られるな〜と感じます。2両1ユニットで連接台車を設けているという辺りも市電の連接車を思い出させる構造です。
最後はこちら
ずら〜っとついているつり革を見てるうちに思い立って撮ったもの。鏡の世界みたいです。 この三角形のつり革というのも発祥は札幌の地下鉄でアイロンをヒントに思いついたという話を聞いたことがあります。確かに丸形より三角形の方が掴みやすいです。
今回は夏休み特別展示ということで見ることが出来ましたが、次この車内に入ることができるのはいつなのか。 普段は非公開とはいえ、半世紀以上前の車両ですし、ほぼノーメンテナンスというのもあって床があちこち浮いたような状態になっていました。さすがに木の床ではないでしょうから、床板が腐っていてズボっと抜けそうになっているというわけではないでしょうが、床に貼っているものの接着剤が経年劣化で剥がれて来ているんでしょうね。この1号編成も当時の姿を失わない程度の手当てが必要な時期なのでしょうね。
なお私も昔1度だけ見たことがありますが、交通局の教習所に2000系の頭だけが教材で置いてありました。これもどうやら1号編成とのことで、このまま廃車にして鉄くずにしてしまうのは忍びないということで教材として教習所に入れたようなんですが、はて?では交通資料館にあるこの車両は?となるんですよね。 どっちがほんとの1号編成なのか、それともこの教習所に入れたというものは1001+1002と同じく現役当時20編成として8両編成を組んでいた仲間のことなのか、この辺がよくわからないんですよね〜。そして2000系が全廃して四半世紀となる今も教習所にそのカットモデルが存在しているのかも不明です。 教材用に作られた東西線6000系の教材も今やカットモデル化されて一応は置いてあるようですが、第一線を退いているようですからね。1000系のカットモデルはもうとっくに撤去されているのかもしれません。 |
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