今日は交通資料館収蔵の展示車両から。
今日ご紹介するのは札幌市交通資料館に収蔵されているいすゞBX95のご紹介なんですが、外観ではなく内部の様子です。
いすゞBX95は1955年式のフロントエンジンバス、所謂ボンネットバスですが、車体が金沢産業製。金沢産業と言えば日野車体の前身ですから、いすゞシャーシに日野製のボディが乗っているということになるわけですね。
このクルマ、なぜか札幌市営のカラーではないんですが、当時の札幌市営は通称赤バスと言われた赤にアイボリーという組み合わせのカラーリングではなかったということなのでしょうか。
さてこのクルマ、内部を見て改めて思ったのがシートが基本的に現在とさほど変わっていないということ。もちろん現在の車両はもっと座面が大きいですし、背もたれも高いですが、要所要所に現在も見られる部品があるんですね。
元々このクルマについていなかったシートを後付けでつけたということでなければですが、既に現在のバスも装備するシートの原型ができていたことになります。
まずは肘掛ですが、これはそっくりそのまま現在のクルマでも見ることができるものですね。楕円形というか丸みを帯びた正方形にラバーがついたものです。 さらに背もたれにあるハンドグリップも未だに見られる形状です。 シートモケットも札幌市営がかつて採用していた緑色のモケットがこの当時から既に採用されていたことを示しています。 床はさすがに鉄板丸出しですが、元々ついていた座席であれば、60年以上前から現在のシートは原型が出来上がっていたということになりますね。
ところでこのクルマ、ツーマン車ではないようですが、降車ボタンなども見当たりません。当時はどのように降りる意思を伝えていたんだろうと思ったんですが、もしかすると車掌台はないもののツーマンで使っていたのでしょうかね。 吊革や保護棒の類もありませんので、立ち席利用では掴まれる部分がハンドグリップのみと結構辛かったのではないでしょうか。 |
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