レカ郎写真記


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...... 2017年11月20日 の日記 ......
■ 札幌市電 TC1の車内   [ NO. 2017112001-1 ]



今日は札幌市電のTC1を。

現在も現役である札幌市電のM101はご存知親子電車の親電車。それに対して「子」の方は?と言うととうの昔に引退し交通資料館で保存されています。

1961年にデビューした親子電車ですが、TC1の方はたった10年程度しか使われることなく地下鉄開業の年なった71年に引退を迎えています。そして75年に保管されていた幌北車庫から交通資料館へ移され現在に至っているという資料時代の方が長い車両でもあります。

理由として後に登場する連接車のA800やA810形と異なり、非貫通型であったため、連結・解放が容易で単独運行が可能だったものの、非貫通であることから運転手が双方で1名ずつで車掌も双方で2人必要だったことから人件費がかかるという面があったこと、TC1はTCとは言いつつもモーターのある車両で、国鉄やJRで言うところのクモハ的なものではあったものの、パンタグラフがなく、M101を電源としていたため、単独運行ができず、連結、解放の際もいちいち車庫内で行わなければならなかったこと、こういう面があるため常時連結状態で使われていることが多かったことなど、いろいろな不都合が生じたため、使い勝手の悪いTC1を廃車してしまおうということになったのでしょう。

これでTC1もM101のように、パンタがちゃんとあってM102であれば現在も生き残れたのかもしれませんけどね。

両開きのドア、バスで言うと頃のスーパーワイドドアに当たる方式の中ドアも初導入で、札幌市電としては初めて尽くしだったというのがこの親子電車だったわけです。

さてこの車両の車内を交通資料館長期休館を前に撮ってみたんですが、今回は一脚にカメラをつけた状態のハイアングルで撮ってみました。
運転台のある側から連結面側を撮ったものですが、反対側に運転台がなくガランとしている車内はこの子電車のみで見られるもの。M101は単独走行も可能な両運転台式ですので、M101ですら今も昔もこんな車内ではありません。
まさに独特のレイアウトな車内なわけですが、吊下げられている吊革も握りが丸型というのは札幌市交通局の保有する地下鉄を含めた鉄道車両では唯一となっています。

また1961年製造の車両ですが、すでにラインライトが採用になっている点に近代的なものを感じました。しかも今も普通に使っていそうなカバーつきのラインライトです。
ところどころに配置されるのではなく、車両中央部を貫くように配置されていますから、夜間でも結構車内は明るかったと思われます。

両中ドア横に車掌台があるのがいかにもという感じですが、ツーマンということは乗降の方法や運賃の支払方法がどうなっていたのかが少々気になります。全部のドアが出入口で車内で切符を売っていたのか、前乗り中降りだったのでしょうかね。特に出入口表示がないのでなんとも言えないのですが。

現在も連接車のA1200形が走る札幌市電ですが、連節車の全てがここから始まったというのがこの親子電車なわけですよね。
非貫通式は使い勝手が悪いという結果もある意味もたらせたわけですから。

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