札沼線の非電化区間が5月6日に最終日を迎え、7日に廃線となります。しかし新型コロナウィルスの蔓延により、最終日を大型連休にかからないよう来週25日と最初早める計画が出て、正式にはさらに1日早い24日廃線という方向になってしまいました。 ところが、今日全国に緊急事態宣言が出されたことを受け、この元々繰り下げになっていた廃線予定がさらに1週間早まり、突如明日17日の新十津川発車便で最終運行となり以降の列車は運休、27日に計画されていた地元住民を対象としたさよなら列車も取りやめになってしまうとのこと。ただでさえ予定日より繰り下げての廃線としていたものが、一週間も突然早まり、突如として明日がラストランになってしまうというのはあまりにも残念でさびしい結果になってしまったなと思うばかり。
廃線を前に、混雑する前に行っておこうと思っていたんですが、廃線が繰り下げで早くなるとのことを受けて昨日月形まで行って来たんですが、危なかったです。まさにギリギリセーフといったところでしたが、なんとか間に合うことができました。まさか廃線2日前の撮影になるとは思いもしませんでした。
さて2月に1度月形には行っているんですが、2月と比べて変化が出ていた部分をまずご紹介しましょう。
駅前に並ぶバス停に1つ新しいバス停が加わっていました。 廃線に先立ち、今月1日から代替バスが走り始めていますが、その代替バスのバス停です。 今は月形駅となっていますが、廃線後ここが月形駅ではなくなってしまったら、このバス停名は早速変わることになるのでしょうかね。でも他にわかりやすい地名もないでしょうから、変えるなら旧月形駅とかでしょうかね。
さてこのバス停、裏と表があります。まあどっちが表でどっちが裏ということもないのでしょうが、まずこちらから。
こちらは石狩当別ー石狩月形間の代替バス、月形当別線の面です。 運行は下段モータースが担当しており、廃線でJRからの補助金で導入したポンチョとハイエースそれぞれ1台ずつが担当します。ちゃんと時刻表に使用車種が書いてあるのが面白いところです。 下段モータースと言えば当別町内で既にコミュニティバスの運行実績がありますので、代替バスの運行を任されたというのがあるのかもしれません。
さて反対の面です。
こちらは石狩月形ー浦臼間の代替バス、月形浦臼線のものです。 こちらの運行は美唄自動車学校が担当しており、ハイエース1台で運行しています。
美自校も貸切バスだけでなく、美唄市民バスの運行実績などがあるので選定されたのかもしれません。
今回の代替バスは月形が拠点となり、当別方、浦臼方に分かれての運行形態となっています。 なおバスは月形に到着後、月形町役場の敷地で展開して時間待ちを行っていました。
それにしてもこの間3便ほど見たんですが、どれも無人で到着して無人で出て行くという状態。昨年廃線となった石勝線夕張支線では、大型フルサイズのバスが3台用意されましたが、こちらはハイエース2台、ポンチョ1台とどれも小型の車両ばかり。そしてどれも乗客なしで出て発着しているという状態。やはり結構前から札沼線は運行本数が少なく、空気を運んでいるような状態とよく言われていましたが、既に地元の足としては根付いておらず、公共交通としての役割も担っておらず、住民も公共交通機関を全く充てにしていないということなのでしょう。なので廃線となってもあまり反対する意見が聞かれないのでしょうね。 夕張の場合は学生の利用がありましたが、札沼線の場合その通学利用という役割すらはたしていないのかもしれません、 実際駅に学生の姿がちらほら見受けられましたが、列車に乗って行くわけでも、代替バスに乗って行くわけでもなく、岩見沢行きのバスに乗って行くか、送迎の自家用車に乗って行くような状態でしたからね。 その程度の利用なので、ハイエースという最低限の車種になってしまったのでしょう。1両のキハ40で基本運行してきましたが、全然それでも多すぎるという状態だったのかもしれません。
既に沿線住民に見捨てられていたような状態だったのが札沼線だったのかもしれませんね。
駅名看板も再度撮ってみました。 が、片方が枠だけになって抜けています。あれ〜元々なにが入ってたかな〜と思いだそうとしたんですが無理でした。名所案内の看板だったように思うのですが・・・。
もう1つ変わっていた点で言うとこちら
ホーム側に回るとこんな看板が追加になっていました。最近は夕張の時もそうでしたが、「さようなら」というフレーズを使いませんね。やはり廃線になる沿線地域には刺さるものがあるからでしょうか。
出入口上の懐かしいフォントの看板も明日で終わりで、また1つ昭和が消え去ります。
ホームに変化はありませんでしたが、2月にはいた除雪用ハイモがいなくなっていました。ハイモがいた左側の側線は元々貨物取り扱いがあった時代の名残ですが、鉄道が反映していた時代の生き証人というわけですね。
石狩月形駅のいいところは、右側に全く柵がないこと。都市部なら間違いなく高いフェンスが立てられるところ、月形はオープンなので列車が見やすいのです。
最終日は多くの人で結局賑わうだろうし、廃線までの1週間はやっぱり結構このホームにも人が降り立つんだろうなと思ったのですが、そんなことがないまま終わりを迎えてしまうことになりました。
札幌圏では電光掲示板が主流ですが、少し離れるとこれです。 こういう駅も少なくなりましたが、また1つなくなる液が出てしまいました。
列車が到着しました。 この日はキハ40単車とキハ402両編成での運用でした。 2両編成の方の札幌方には825号がついていました。 苗穂の車両なので、函館本線山線が活動の主な線区だったと思いますが、種別幕にはちゃんと札沼線のものも入っています。 廃線までには臨時列車の他、3両4両という編成も走る予定でしたが、それらも全部コロナで吹っ飛んでしまいました。それどころか、さよなら企画で色々とイベントや臨時列車が企画されていましたが、それらも全部吹っ飛んでしまい、何にもないまま札沼線が幕を下ろすという日高線の鵡川ー様似に次ぐさびしい終わり方になってしまいました。
乗務員から業務用の物品が渡されます。ほんとはスタフ交換を狙ったんですが、うまいこと撮れず、こちらがそれっぽく撮れました。 明日で道内唯一のスタフ閉塞も終わり、道内からスタフ閉塞というものが消滅します。ある意味明日は廃線以外にも歴史的な日にもなるわけですね。
おそらく明日で用途を失う2両のキハ40 400番台。検査を最近受けたばかりの車両もありますが、それでも転用などはされずに廃車になるのでしょうね。明日は札沼線専用だった400番台ラストランにもなるはずです。
明日の新十津川発の便が去ったら、すぐに踏み切りは停止され、線路側に柵がつけられ一時停止が解除になるのでしょう。まだ正式な廃線まではあるはずですが、列車は走ることができる状態ではなくなっているはずです。
それでなくとも最終日には来るな来るなと念を押して発せられ、釈然としない最後になるなと思っていた中、突然のさらなる廃線前倒し。札沼線が出来た時、いや、1年前ですら、誰がこんな伝染病に引導を渡されることになり、誰もまともに別れを告げることすらできなくなると考えたでしょうか。 新型コロナによって人やもの、お金やさまざまなイベントが失われていますが、この疫病はどこまでいろんなものをもちされば気が済むのでしょう。 |
|