
今日12月16日は札幌市営地下鉄の誕生日。そして今年は50周年という記念すべき日となりました。 札幌五輪をきっかけに建設された地下鉄ですが、最初の南北線真駒内ー北24条を皮切りに現在では3路線となり、計画の総延長50kmに迫る距離となりました。
本格的にタイヤを使用した世界初の地下鉄でもあり、その後の新交通システムなどに大きく影響を与えている一方、JRとの相互乗り入れができないなどの問題も抱えているのも事実ではありますが、今では市民にとっては欠かせない交通機関となっていますし、札幌の発展に大きく影響を与えてきました。地下鉄沿線で地価が上がったり、マンションなどがたくさん出来て発展している反面、地下鉄の恩恵を受けられない地域、地下鉄から遠い地域ほど発展からおいて行かれている、市民生活の質に温度差が生まれているというのもまた事実。なるべくならどの地域もある程度平等にというのが理想ですが、なかなか難しいものですね。
ちなみに私は子供の頃、地下鉄はどこもみんなタイヤだと思ってました。タイヤじゃない地下鉄が変なんだと思ってましたが、札幌の地下鉄が他と比べると特異な存在だったんですよね。
地下鉄は路線が出来るほどに技術などが向上していっていますが、今回50周年を迎えた南北線はそれまで交通局が経営してきた市電の経験を踏まえてのことでしたので、市電ベースで作られているんですよね。駅間の距離も電停にある程度合わせていますので、他の路線と比べると特に地下区間は短めな設定ですし、初代の1000系、2000系はA820形を思わせるような大きな窓ガラスや2両1ユニットで永久連結という点などは市電の影響を感じます。また当初あった1000系は2両編成でしたので、これも市電を意識してのことだったのでは?と思うんですよね。普通に考えて地下鉄で2両編成というのは輸送力不足なのは明らかですし。ラッシュ時は4両編成の2000系、日中は2両編成の1000系という住み分けだったようですが、この考えが市電の連結車と同じ考えのように思うんですよね。
とりあえず計画の総延長50kmに及ぶ長さになっていますので、延長の計画は今のところありませんが、今後地下鉄がさらに伸びることは果たしてあるのでしょうか。
さて今日の写真ですが、先日撮ったものです。ちょっと違ったアングルからと思って撮ったんですが、久々に南車両基地を撮ってみました。 子供の頃からこの五輪通から地下鉄が見えるのが好きでここを通るとわくわくしていたものですが、当時とは止まっている車両の顔ぶれがすっかり変わってしまいました。 こうして見るとかなりギリギリいっぱいで止まっているのがわかりますが、他の車両基地では見られないギリギリ加減。もしかすると留置線の長さがギリギリなのかもしれませんね。元々2両編成や4両編成で開業していますから、この短い編成に合わせて車両基地を建設し、車両は市電のように1つの線に複数の編成を留置するという考え方だったのかもしれませんね。
工場の方も大谷地工場ではフル編成を組んだ状態でもかなり余裕のある面積になっていますが、真駒内工場では編成を分割にしないと収まらない長さしかないようですからね。増築しようにも道路が目の前ですのでこれ以上無理ですし。
本来なら盛大にイベントが行われたのかもしれませんが、コロナで大々的なこともできずせっかくの50周年が台無しという感じになってしまったのは残念な限り。地下鉄開業から50年後は疫病の蔓延しているなんて当時誰も想像すらしなかったことでしょう。 |
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