
今日は北海道バスから1台ご紹介です。 今日ご紹介するのは北海道バスの札幌230あ958、BYD・K8です。 このクルマは北海道バスがFビレッジ開業に合わせて今年新製導入したもの。中国製の電気バスであるこのK8は道内では千歳相互観光バスで同時に導入した分と共に初導入となりました。
BYDとは聞きなれないメーカーですが、03年に設立された中国の自動車メーカーで、バスだけでなく乗用車も製造しているようです。 そんな中国製の電気バスが北海道でも走るようになりました。 こうしてみるとやはり顔立ちなどが国産離れしている感じですね。中国どころかヨーロッパを思わせるようなデザインです。また前、中ドア共にグライドスライドドアとなっており、当然ノンステップ車。そして側面表示機の位置からもわかる通り、道内では珍しい前乗り中降り仕様となっています。これはFビレッジシャトルバス専用車のため他に停留所がなく固定運賃のため前払い式でも問題ないからでしょうね。
なお日本国内で運用するにあたり道路運送法をクリアする関係で右後ろに非常口を設置していますが、これは中国本土だけでなく、他にもこのクルマを輸入し運用している国でも見られない仕様となっています。 オーバーラップ式のワイパーを搭載している路線車というのもいすゞキュービック以来でしょうか。しかも路線車ながらアルミホイールを装備しています。
電気バスとのことですが、そこそこモーターの音や走行音が出ているなという印象を受けました。
現在のところ北海道バスでは3台導入のようですが、今後増えることはあるのでしょうかね。 中国製ということで一応外車となりますが、国産の電気バスが選択されないどころか中国の電気バスが日本をはじめ世界で幅を利かせ始めているということに日本の衰退を感じてしまいました。もはや日本は自動車産業だけが主要産業みたいなところがありますが、その自動車産業ですらこうして中国などにリードされるようになってきているわけですから、そうなると日本が世界で勝負できるものってなに?ってなっちゃいますからね。 まあ世界的に電気自動車の流れの中、あえてエンジン車を作り続けてエンジン車部門でシェアを独占するという手はありますけどね。電気自動車じゃダメだという条件が絶対あるわけですし。
1つ気になるのが電気バスということ。外の地域ではいいのかもしれませんが、北海道ではどうでしょう。今は新しいのでまだいいかもしれませんが、厳しい気候条件の中での使用になりますので、バッテリーの劣化も早まるはず。バッテリーがダメになって来た時、今のような運用方法がはたして可能なのか?と思うんですね。バッテリーが切れそうだからと頻繁に営業所に充電しに戻らなければならないとか、運行中に路上で立ち往生してしまったでは困るわけです。 その他北海道特有の問題として凍結防止剤の問題もあります。国産車ですら新車から数年もすればサビが出始めるほどですがBYDのこのクルマはどうでしょう。そして錆びたところから水や凍結防止剤の塩分が入り込み、電気系統に障害を与えることも考えられますが、その辺の対策がどこまで行われているのか、そして国産車と比べるとどの程度使い続けられるのかというのが気になるところです。 結局バッテリーの交換でえらくコストがかかるとか、国産車以上に腐食する車体で長く使えないでは困ってしまいますからね。
ちなみに北海道バスの路線バスは函館地区に続いてこれで2例目。もう貸切事業者だけではなく、立派に路線こなす事業者ですね。
余談ですが、Fビレッジのシャトルバスを運行するのはてっきり札幌地区で路線バスを運行する3社だろうと思っていただけに、北海道バス、エルム観光、そして千歳バスだったというのは結構驚きました。ジェイアール北海道バスで昨年からフルカラーLEDに表示機を転換する事業を行っていますが、真っ先に行ったのが小樽とFビレッジを抱える北広島営業所だったので、てっきりJHBが担当するものだと思っていましたし、そのために北広島のクルマからフルカラーLEDにしたのだろうと思っていましたからね。まあ裏返せば路線事業者はシャトルバス事業に手を出す余裕がないほど人手不足ということなのでしょうね。なにせ既存の路線すら満足に運行できなくなってくるほどの人手不足に陥っているわけですから。 そうなるとこうした事業者の貸切部門というのも危ぶまれるのかもしれませんね。 バスが運行できないと収入が減る、そうなると従業員への福利厚生も手厚くできない、その結果人が離れるし寄ってこなくなるという悪のスパイラルに陥ってしまいそうな感じがします。 |
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