
19日の運用を最後に室蘭本線で細々と活躍してきたキハ141系の生き残りキハ143が役目を終え737系に置き換えられました。 そもそも札沼線の輸送力強化のため50系客車から誕生したキハ141系。それまでPDC化は何かとうまくいかないとされていた中、キハ56から譲り受けた足回りと新たらしいエンジンの組み合わせでその定説を覆し、最大44両を数えるまでに成長しました。苗穂運転所には所せましとキハ141系が留め置かれていましたが、それでも44両だったんだな〜という感じですが、50系時代の面影を色濃く残し、特にトレーラー台車のキハ144は気動車というくくりでありながら50系客車そのものに近い車両で、キハ141系は面白い存在だなと思っていました。
そんな中12年に札沼線が電化されたことで札沼線専用車といってもいい車両だったキハ141系は職を失うことに。ここで多くの車両がお役御免となり廃車となりましたが、唯一道内で生き残ったのがキハ143。711系なき後を引き継ぐ形で室蘭本線にワンマン化改造された上で転用されて12年10月より運用されて今年で11年目。ついに役目を737系に奪われる時が来てしまいました。電車である711系から役目を引き継いで電車の737系に引き継ぐというなんとも面白い引き継ぎ方ですが、これで道内からキハ141系が姿を消すことになります。
SL銀河用の客車としてJR東日本へ渡った車両もSL銀河が運行終了ということでこちらも同じ運命になりそうですので、国内からキハ141系の火が消えることになるのでしょうね。
70年代末期から80年代初頭にかけて製造された50系客車ですが、キハ141系に改造されたものに関して言えば、客車時代より気動車時代の方が圧倒的に長いという結果になりました。
室蘭本線へ転用されてから私は1度だけ苫小牧→竹浦で乗ったことがありますが、驚いたのはその早さ。札沼線では何度も乗ったことがあるキハ141系ですが、札沼線のキハ141系運用範囲は駅間が短いところが多く、いつもノロノロ走っているようなイメージでしたが、駅間の長い室蘭本線ではは打って変わって別人のようにガンガン走る姿に実はこんなに走る車両だったんだと驚いたものです。ある意味イキイキしていたような感じさえしました。
さて今日の写真ですが、先日最後の姿をと撮りに行った時のものからです。この顔を見ると今も札沼線とすぐ思ってしまうんですが違うんですよね。 室蘭本線に転用されて11年目ですが、地味な存在だったな〜と感じます。室蘭本線では他にもキハ150やキハ40、末期はH100など他にも気動車が活躍していてキハ143の独壇場ではなく、主役はキハ143でもありませんでしたからね。他の系列に交じるように運用されていたので地味な存在だったのでしょうけど、でも気動車王国北海道においてキハ143が走るのは苫小牧ー室蘭だけだったんですよね。
ところでJR北海道では特に廃車とは言っていないんですよね。そして今後の在り方を検討するとのこと。 客車時代からだと40年前後経過している車両ですが、もしかして室蘭本線での運用は終了かもしれませんが、まだ他に転用する考えがあるということなのでしょうか? 思いつくところではノロッコ号に転用とかでしょうかね。ノロッコ号を牽引するDLを廃車にしたい、そうなると客車を引く機関車がいなくなる、だけどキハ143を転用すれば自走できるから機関車がいらないということになりますよね。 まあノロッコ号の客車も元は同じ50系ですが。 転用するにしても古い車両ですので、今までのように毎日走るような運用というより、観光列車のような感じになるのかな〜と思うのですがどんなものなんでしょうね。意外とあっさり廃車・解体されてしまうかもしれませんし。キハ143が再び本線を走る日が来るのか、それとも来ないのか。
PDC化から30年以上になりますが、最後はセレモニーもなく第二の人生を終えようとしていますが、とりあえず長らくのお勤めお疲れさまでした。 |
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