
今日はひと昔前の写真シリーズです。 このシリーズでは10年ほど前、2014年前後の写真を主にこれまで上げてきましたが、先日さらに古い写真がありましたので今回はその中からです。
今日の写真は北海道中央バスの札幌22か1919です。
このクルマは93年に札幌市交通局がサッポロファクトリー開業に合わせて専用車として7台導入したもの。日産ディーゼル+富士重工18Bで後のスペースランナーRMに相当するものでしょうかね。
前後ドアでしかも前後ともに折り戸、初のATに中型の富士重工8B、しかも市営バスカラーではなく専用カラーを纏うという市バスの中でもかなり異端でおおよそ市バスらしくない仕様と姿で登場したのがこのクルマでした。 私も新車当時初めて乗ってまずATというのに驚いたものです。当時大型のATは少なく、今でこそ一般路線車はATしかありませんが、バスのATとなるとかなり珍しい存在でしたからね。
側窓は全固定でシートモケットのカラーが1席ずつ異なるというこだわり具合。行先表示も行灯部分にあるのみでした。 観光マスクですし8Bですのでスタンダードデッカーを路線車化したクルマという感じなのでしょう。
運賃表も市バス標準のものではなく、停留所名だけが表示されるもので運賃はステッカーかサボ対応だったと記憶しています。
この写真を改めて見て「そういえばそうだったか」と思ったのは側面表示機。これは後天的な変化で新製時は側面表示はありませんでした。 ファクトリー線専用車ですから必要なかったんでしょうね。代わりに一番後ろの窓に運行経路を示したステッカーが貼られていました。 後に扱いが変わりファクトリー線以外にも運用するようになったことで側面表示機の必要性が出てきたため設置されたのでしょう。
新製時から札幌東、市バス時代は東営業所に所属しつづけていましたが、04年に東営業所が中央バスに譲渡されたことでこのクルマも中央バス籍となりました。 車体から―は市バス時代から数回変更されていますが、市バスカラー、中央バスカラーを結局1度も纏うことなく09年7月一斉に除籍されています。
この写真は私の初代コンデジで撮ったもので09年6月の撮影ですのでまさに引退間近、ギリギリの撮影でした。 コンデジ画像とはいえ、この元ファクトリー線専用車を撮ったのはこの1枚のみなので私にとって貴重な1枚となっています。 であればもう少しまともに撮っておきたかったですが・・・。 これから撮って行こうと思っていたら除籍されていなくなってしまったので「あらら・・・」という感じでした。
これだけの市バスの車両とは思えないある意味おきて破りのような仕様で導入しているところを見るに、当時サッポロファクトリーへの期待が非常に高かったことをうかがわせます。
なお中央バスに引き継がれた後も元市バスの車両では唯一局番がそのまま使われていたのも元ファクトリー線の車両です。というか市バス時代から特にフロント周りはほぼ変化なく一生を終えたクルマたちでした。 |
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