 今日は北海道中央バスから1台ご紹介です。 今日ご紹介するのは北海道中央バスおたもい営業所所属の札幌22う213です。
今では中央バスの珍車中の珍車となったこのクルマですが、小樽市内を走るおたる散策バス向けのろまん号として97年に2台導入されたうちの1台。 珍しいのは見た目だけではありません。シャーシが日野製でボディはアメリカ製というもの。しかもシャーシがバス用ではなくトラックであるレンジャーのものを使っているので、正確にはバスと言うべきなのかバスのように改造されたトラックと言うべきなのか・・・というまさに特殊車両となっています。 バス用のシャーシより色々なものにすることができるトラック用のシャーシの方が勝手がよかったのでしょうか。
というわけで、一応バスなのですがリアエンジンではなくフロントエンジンになっているため、運転席と客室の間にはエンジンのスペースがあり、この部分を乗り越えて行かないと運転席に出入りできないというめんどくさい仕様になっています。この辺がトラックのシャーシを使っているという証拠ですね。 なので運賃箱なども普通のバスではないような妙な位置関係についているのがこのクルマ。
さらにボディはアメリカの路面電車を模したものなのでこうなるといよいよバスなのかどうか怪しくなりますね。バスの扱いですがシャーシはトラック、ボディは路面電車を模したものですから。
ろまん号のみならず、このクルマが製造された頃はちょっとしたレトロ調バスのブームとなり全国各地でちらほらこうしたクルマが見られましたね。確か神戸だったかでこのろまん号そっくりなクルマがあったと記憶しています。
車内は木製のベンチシートが並び、現在では座布団が敷いてあったりしますが、デビュー当時は木丸出しという状態だったため、制動がかかったり、交差点を曲がった際はお尻がシートの上で滑るので手や足を踏ん張ってないとなりませんでしたね。直接木というのはお尻も痛いですし。
おたる散策バスでは通常の車両に交じってろまん号が特定のダイヤで入っている運行方法でしたが、夕方で運用を終えた後、夜は天狗山ロープウェイまでの定期観光バスとして使っていた時代もあったように記憶しています。ただこのクルマで天狗山ロープウェイまで行くとなると結構途中の坂は難儀したんじゃないでしょうかね。特にラストスパートはより勾配がきつくなるので、通常のバスでも中型車などはエンジンは全開でも速度が自転車並みということがよくありましたし。
そんなろまん号ですが、コロナ禍かその直前ぐらいからか運行が行われていません。ダイヤが平常になった現在も通年で運行がなく、以前もうやめて廃車になってしまったのかな?と思っておたもい車庫前を通った時見てみたらまだ2台とも車庫内にいたので廃車にはなってないんだなということは確認できましたが、動く姿はここ5、6年見ることが出来ない状態が続いていました。 そんな中先日札幌ファクトリーで行われた北海道バス協会のバスフェスティバルに登場し久々にその姿を見ることが出来ました。しかも小樽ではなく札幌でですからね。このろまん号が札幌にやって来たというのは30年近い歴史を刻むこのクルマにおいてかなり珍しいのではないでしょうか。 小樽のレトロな街並みだけでなく、ファクトリーのレンガ館ともなかなかマッチしていい感じでした。 私もこのクルマが来るということで先日バスフェスティバルに出向いた次第。次はないかもしれませんからね。
さてこのクルマがろまん号としておたる散策バスに戻ってくることは今後あるのでしょうか?ここまでおたる散策バスの運休が続くともうこのまま除籍されてしまうんじゃないだろうか?車齢も30年近いしドライバーに余裕もない時代だし・・・なんて思ってしまうんですがどんなものでしょうね。もう小樽の街を走る姿は見ることが出来ないのでしょうか。 |
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