
北海道内でSL列車が冬の湿原号になってしまってから久しいですが、今日は少し懐かしい1枚を。 今日の写真は09年撮影のもので、西の里信号所に止まるC11 171号機です。 これはSL夕張応援号の試運転の回送を撮ったものなんですが、復路は西の里に長時間停車するのでこうした撮影が可能でした。欲を言えばSLが先頭ならいいのですがそううまくはいかないですね。 西の里にSLが停車すること自体珍しい光景なので、サイクリングロードを行く人々の注目を集めていました。そして撮影しようと集まってくる人も多いので、その人たちを狙って蚊もやたら集まって来ていた記憶があります。常に蚊を追い払いながら撮影していたものです。
何度かここでこのシーンを撮りましたが、場合によっては機関士さんがサービスで列車の合間を狙ってヘッドライトを点灯させてくれたりしたものです。今日の写真がまさにその時のものです。
しかしSL夕張応援号は定番化せず終了、それどころかSL列車自体冬の湿原号以外廃止され、夕張応援号が走った石勝線夕張支線も今や廃止、そしてこの列車が停車する西の里の側線も今や廃止で信号所の機能を失っています。 応援されていたはずの夕張市も鉄道を失い、バス路線もどんどん細って今では札幌と直通で結ばれなくなっただけでなく、岩見沢とでさえつながらなくなってしまいどんどん衰退しています。 札幌からだと急行便ならバスで1時間半程度の距離なのにも関らず、遠い存在になってしまいました。 かつては国道36号線経由で札幌と夕張を結ぶ路線もあったんですけどね。
石炭需要というものを失ってしまったら夕張にはもう用はないと切り捨てられてしまった形ですが、日本の高度成長期などを支えたのが夕張などの産炭地ですからね。今の日本があるのは産炭地があったからこそと言ってもいいのではないかと思いますが、そんなかつて日本の経済成長を支えた地域があっさり見捨てられるというのは冷たいものだなと夕張を見る度に感じてしまいます。 |
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