
バスドライバー不足による減便、路線廃止は全国規模で進行中ですが、今年4月のダイヤ改正で北海道中央バスでさらに複数の路線が廃止となります。そのうちの1つが今日のテーマ新93系統の新さっぽろ線です。 新さっぽろ駅―緑ヶ丘団地を結ぶこの路線は現在循環新93と運行開始当初から続く循環便ではない新93の2つがありますが、この路線が今年3月末で廃止となります。 これまで減便の他なんとか路線維持をしようと数年前から基本的には循環化し、ラッシュ時など混雑する時間を中心に非循環の便を何便か設定して運行維持してきましたが、その新93系統もここまでのようです。 ある意味循環新93というのはなんとか路線を維持しようとしてきた中央バスの努力の結果と言えるでしょうね。
この路線はちょうど今年で40周年となるようで、歴史をさかのぼると初登場は85年の冬ダイヤのようです。 地下鉄東西線の延伸と同時に路線開設というわけではなく、延伸から3年後と少しラグがあっての路線開設でした。 当時は大曲営業所も白石営業所もありませんでしたので、おそらく平岡もしくは月寒で担当していたのではないかと思われますが、登場当初から現在と同じ運行形態だったようです。そしてその運賃が150円。先月から札幌市内の路線バスが1区240円に値上げになったことを考えると40年の時を経て90円も値上がりしてるんだな〜と実感します。
そのうち大曲で担当するようになり、さらに近年になってなぜか白石が基本的には担当するようになり、その中の数便元々担当していた大曲の受け持ちがあるという運行形態となっていました。 個人的には大曲担当の方がよかったのでは?と思うんですよね。緑ヶ丘団地発とか着の便を白石が担当すると回送する距離が結構ありますし無駄のようにも思えるんですよね。 ちなみに同じような経路を通るものの発着点が大谷地の大92がこの冬ダイヤから平岡担当に変わっています。これもちょっと謎ですね。
さてこの新さっぽろ線、元々は系統番号がありませんでした。余談ですが、現在大92と番号がついている上野幌線も当時系統番号がなく、ライブヒルズ南が起終点でした。 この2路線に揃って系統番号が与えられたのは94年10月の地下鉄東豊線延伸開業をきっかけにした系統番号の見直しです。現在ついている系統番号はこのタイミングでつけられましたが、この2路線に限ってはこのタイミングで初めて新93と大92の番号が与えられています。
新93系統的に言えば運行開始から10年近くは系統番号なしという状態だったわけですね。 正直札幌市内の路線で系統番号がない中央バスの路線は田舎の路線というイメージですが、確かに新さっぽろ線開設当時沿線はまだ発展途上という状態だったはずですね。
というわけで今日の写真ですが、新93系統を撮ったものがあるにはあるんですが、LED表示で読めないものばかりだったので、ちょうどそのうち出そうかなと思っていた過去に幕式表示で撮ったものがあったのでそちらを。
撮影は2010年3月なんですが、当時は大曲が担当していました。 そしてこちらの札幌22か1854はと言えば92年式の日野ブルーリボンで、中ドアにワイドドアを採用し新カラーで投入した一期生のうちの1台。新製配備が月寒営業所でした。今はもう月寒営業所に所属歴のあるクルマはいなくなってしまいましたね。 このクルマも翌年11年に除籍されています。 それまで月寒→大曲→大曲営業所北広島車庫→大曲と渡り歩いています。
車両はずっと前にいなくなり、そしてこの車両が当時運行していた新93系統も路線ごと消えようとしています。
こうしてどんどんバス路線が切られて行く時代、ここまで来ると行政は昔ほど「お出かけには公共交通の利用を」とはちょっと言えないですよね。「だったらまともに利用できるだけのレベルを行政が維持しろ」と突っ込みが入りそうですし。 |
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