
今日は札幌観光バスから1台ご紹介です。 今日ご紹介するのは札幌観光バスの札幌200か5964、日野ブルーリボンU・ノンステップです。 このクルマは札幌観光バスが24年に導入したもの。元々は名古屋市交通局が07年に導入したもので、22年には名古屋市営交通100周年記念としてレトロカラーを纏っていたものです。 札幌観光バスへ渡ってからは企業の特定輸送車として使われており、新千歳空港などに出入りしていましたが、今年春厚別ふれあい循環バスからこれまで運行してきた北海道中央バスが撤退するにあたり、沿線町内会が立ち上がって路線を存続させることになった際、運行を札幌観光バスに委託することになり、こちらの車両が転用されることとなりました。
ブルリUでもヘッドライトがいすゞエルガと共通の時代のものですね。08年式からブルリUの方が1灯式になっていますので、年式から考えるとこのクルマはエルガと共通だったモデル末期のものでしょう。 カラーリングは札観に渡って以来白一色塗で使われており、リアオーバーハングに札幌観光バスの社名が入る程度。もうちょっとなにかあった方がよいのでは?とは思いますが、もしかするといつ廃止になるかわからない先が見えない路線ですから、その場合コストをかけてラッピングなりカラーリングなりしても無駄になるというのがあるのかもしれませんね。
厚別ふれあい循環バスは中央バス時代小型や中型車、大型車でも大型ショートが担当していましたので、ここにきてフルサイズの大型車になったわけですね。
ただ利用状況は芳しくないようです。ただ最大の問題は時刻表があまり公開されていないということ。新さっぽろ駅にも掲示がありません。 それで利用率が低いと言われても・・・という感じなんですよね。確かに沿線町内会が存続させた路線ですので沿線住民の利用に主軸が置かれるのは分かりますが、今の状況ではあまりにも沿線住民専用バスになりすぎている気がします。 せっかく路線を存続させたわけですから、もっと沿線の外に運行時刻や存在をPRする必要があるように感じます。 沿線には病院などもあり、そういったところには近隣住民以外だって用事があるわけですからね。そういった需要を取り込むようにしなければ沿線住民の利用だけではすぐに限界が来てしまうのもうなずけるというものです。
また運賃が1乗車300円と他の路線に比べると割高なのも問題です。こういうものにこそわけのわからない必要なのかどうかも分からないハコモノにバンバン大金をつぎ込むのではなく、札幌市が補助金を出すなどして運賃を他社に合わせるようにしたらどんなものかと思うんですよね。これが公共性であって税金の使い方のような気もしますし。 そもそも公共交通の維持は行政の仕事の1つのはずですが、その行政がライフラインの1つである公共交通、とりわけバス路線の維持を民間に丸投げし、匙を投げた結果住民が立ち上がらなければならなくなった背景があるわけですからね。
全国的にドライバー不足などから路線の廃止が断行されバス路線がズタズタになりつつありますが、この住民が守った厚別ふれあい循環バスが失敗例ではなく成功例として全国に発信されるようになればと思うばかりです。 |
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